米メルク 韓華化学とエンブレルのバイオシミラーの開発・商業化で提携
公開日時 2011/06/15 04:00
米メルクは6月9日、子会社のメルク・シャープ・アンド・ドーム・リサーチが韓国の韓華化学(本社・ソウル、Kim Joon Hong最高経営責任者)とリウマチ治療薬・エンブレル(一般名・エタネルセプト)のバイオシミラーの共同開発と商業化に関する提携で合意したことを発表した。
韓華化学は現在、韓国で関節リウマチ患者を対象に同社が有するエンブレルのバイオシミラー・HD203とエンブレルの同等性試験をメトトレキサートとの併用で行っている。今回の提携でメルクはグローバルでの臨床開発と製造を担当し、上市後は2024年まで韓国とトルコ以外での販売権を取得する。
提携により韓華化学は契約金と技術移管や承認申請に伴う達成報奨金や販売後のロイヤリティーを獲得する。金額についてメルク側は公表していないが、韓華化学では最大7億2000万ドルとしている。
エンブレルは米アムジェンの主力商品で10年の売上高35億3400万円で医療用医薬品の製品別売上高で世界トップ20に入るブロックバスターでもあり、今回の提携についてメルク・バイオベンチャーのMichael Kamarck氏は「エンブレルは最も重要なバイオシミラーの1つであると広く捉えられており、我々のバイオシミラー・ポートフォリオに大きな付加価値を提供する」と評している。
提携先の韓華化学は1965年設立。事業の柱は石油化学事業だが、近年ではバイオビジネス部門を設立し、抗体医薬品を中心とするバイオ医薬品の研究開発にも乗り出している。2010年の全社売上高は3兆6280億ウォン(約2675億円)。