テバ・大洋薬品 買収の狙いと思惑(2) テバが獲得した日本市場のプレゼンス
公開日時 2011/05/30 04:00
大洋薬品買収で日本市場へ本格参入を果たしたテバ社も、日本市場を獲得したい相当の理由があったはずだ。その1つが、最近の同社がジェネリック事業だけでなく、新薬部門でも収益を上げ、それが今曲がり角に立たされているという現状である。現在、同社は多発性硬化症治療薬としては初の経口薬・コパキソンが年間売上高160億ドルの20%を占めている。例えて言うならファイザーにとってのリピトール、武田薬品にとってのアクトスに当たるのが、同社のコパキソンなわけだ。(ジャーナリスト村上和巳)ところがアメリカでは既にジェネリック参入の動きがあり、皮肉にも同社が普段行っている仕打ちを逆に自ら受ける羽目になっている。同社のシュロモ・ヤナイ最高経営責任者(CEO)自身が記者会見で「当社の地域別売上高構成は北米市場に偏り過ぎてい...