FDA 降圧薬の販促物に心血管イベント発症予防効果記載求める
公開日時 2011/03/23 04:00
米FDA(食品医薬品局)は、降圧薬の販促物に、臨床結果から得られた心血管イベントの発症予防に関するベネフィットを記載することを認めた。3月14日にFDAが発表した最終ガイダンスから明らかになった。
ガイダンスでは、ラベルの適応・用法欄の改定に加え、下記のような文章を記載することを認めた。
「薬剤X(製品名)は、血圧を降下させる。血圧降下は、主に脳卒中や心筋梗塞など致死的および非致死的心血管イベントのリスクを減少させる。血圧管理は、適切な脂質管理、糖尿病管理、抗血栓療法、禁煙、運動、塩分摂取制限などを含めた総合的な心血管リスクマネージメントの一環となるべきである。多くの患者は血圧の降下目標に到達するために1剤以上の薬剤を求める」――。
すでに、FDAの心血管・腎臓薬諮問委員会(CRDAC)が2006年4月に発行した勧告に沿ったベネフィットの記載を求められていた。今回のガイダンスでは、さらなる変更点が加えられたものとなった。
ガイダンスには、収縮期血圧値のみが高い高血圧の高齢者では、心血管イベントが増加したことが2007年7月の米国高血圧雑誌(AJH)に掲載されたことを踏まえ、「収縮期血圧は特に高齢者にとっては拡張期血圧よりも重要」という記述が加えられた。
FDAは、高血圧患者は、降圧療法以外の治療法を受けられることから、プラセボ対照試験の倫理性について懸念を持っているとされる。最終ガイダンスでは、「高血圧を治療しないグループを残してアウトカム試験を行うことはいまや倫理的とはいえない」との記述が新たに追加された。この問題は他の薬剤についても同様で今後問題となってくるだろう。
(The Pink Sheet Daily 3月14日号より) FDAと米国製薬企業の情報満載 “The Pink Sheet”はこちらから