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【ASHリポート】ボルテゾミブをベースにした初期治療と維持療法 未治療のMMのPFSを有意に改善

公開日時 2010/12/10 06:00

ボルテゾミブをベースにした初期治療と維持療法は、未治療の多発性骨髄腫(MM)での無増悪生存期間(PFS)を有意に改善し、染色体の欠損や転座が起きている難治症例の一部でも有効であることが分かった。リスクのオランダ・ロッテルダム大学病院のPieter Sonneveld氏が第3相無作為化比較試験「HOVON-65/GMMG-HD4」の結果に基づいて、米国血液学会(ASH)2010年次総会のオーラル・セッション「Clinical Results-Autologous Transplantation:Multiple Myeloma」で12月5日、報告した。


HOVON-65/GMMG-HD4は、新規に診断されたMMで(1)Durie/SalmonステージⅡ/Ⅲ、A+B(2)多発性骨髄腫国際病期分類システム(ISS)・ステージⅠ~Ⅲ(3)年齢18~65歳(4)WHOパフォーマンス0-3(5)腎機能不全症例も含む--の基準を満たすものを対象に、初期治療としてビンクリスチン+アドリアマイシン+デキサメタゾン(VAD)群373例とボルテゾミブ+ドキソルビシン+デキサメサゾン(PAD)群371例の各3サイクル実施に無作為に割り付けた。


各治療後、全例でシクロフォスファミド+アドリアマイシン+デキサメタゾン(CAD)療法+G-CSFによる幹細胞動員、幹細胞採取、大量メルファラン投与(HDM)と自家末梢血幹細胞移植(PBSCT)が行われた。なお、HDM+PBSCTはオランダでの被験者は1回、ドイツでの被験者は2回実施。これら一連の治療後、維持療法としてVAD群でサリドマイド5mg/日、PAD群ではボルテゾミブ1.3mg/m2の週2回を2年間投与した。


各治療段階での実施患者割合は、維持療法開始時でVAD群64%(239例)、PAD群56%(205例)、2年間の維持療法終了時でVAD群19%(70例)、PAD群28%(102例)。
維持療法期間中の脱落理由別は、「有害事象」がVAD群69例、PAD群18例、「進行・再発」がVAD群80例、PAD群70例、「その他」がVAD群20例、PAD群15例。
奏効率は、初期治療終了時で完全寛解/厳密完全寛解(CR/nCR)がVAD群5%、PAD群11%、非常に良い部分寛解(VGPR)がVAD群15%、PAD群42%、部分寛解(PR)がAD群55%、PAD群78%。
HDM終了時のCR/nCRはVAD群15%、PAD群30%、VGPRがVAD群36%、PAD群61%、PRがVAD群77%、PAD群88%。維持療法終了時ではCR/nCRがVAD群34%、PAD群49%、VGPRがVAD群55%、PAD群76%、PRがVAD群83%、PAD群91%でだった。


グレード3以上の有害事象別の発現率は、感染症がVAD群18%、PAD群24%、消化器症状がVAD群7%、PAD群4%、末梢神経障害がVAD群15%、PAD群9%。
この結果を受けてのPFSはハザード比0.79、p=0.01、OSはハザード比0.73、p=0.02でボルテゾミブ群の方が良好だった。


一方で36カ月でのPFSとOSは、VAD群でPSF40%、OS70%、PAD群でPSF48%、OS78%であり、患者背景でサブ解析を行うとクレアチニン値2mg/dL以上の症例ではVAD群でPFS12%、OS30%なのに対し、PAD群でPFS49%、OS72%。また、MMで予後不良因子となる13番染色体欠失(del13)症例ではVAD群でPFS29%、OS58%、PAD群でPFS40%、OS79%とPAD群は全体のPFS、OSと同等であり、腎機能不全や一部の染色体変異による治療効果への影響はほとんどなかったという。
 

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