FDA デノスマブのがん関連骨折予防の適応を承認
公開日時 2010/11/24 04:01
米食品医薬品局(FDA)は11月19日、米アムジェンの抗RANKL(NFκB活性化受容体リガンド)Xgeva(デノスマブ)を転移がんによる骨折および放射線療法などを要する骨疼痛など骨関連イベント(SRE)予防の適応で承認した。
同剤の有効性、安全性は、ゾメタを比較対照薬とするRCT3件、合計5723例で検証された。試験デザインは、骨折の発生あるいは脊椎圧迫、骨疼痛のため放射線治療あるいは手術の必要性があるまでの時間を計測した。乳がん患者、前立腺がん患者、その他がん患者でもXgevaはゾメタに比べ、SREの発症を遅らせた。重篤な副作用では、顎骨壊死、顎への血流減少による重篤な疾患などが報告された。
FDA医薬品評価研究センター(CDER)のRichard Pazdur腫瘍製品部長は、「骨転移は痛みの主要因で患者のQOLを損なう」と指摘したうえで、がんによる骨合併症を治療する既存薬とは異なった作用機序の製品が開発されたことを評価した。
同剤は、6月にProliaの製品名で、骨折リスクのある閉経後骨粗鬆症治療薬として承認された。XgevaはProliaよりも高用量で投与間隔も頻回となる。
米医薬専門誌「Pink Sheet」によると、International Strategy & Investment Groupのアナリスト、Mark Schoenebaum氏は、2016年までに、デノスマブによる前立腺がん関連の売上が6億ドル、乳がん関連が4億ドル、合計10億ドルに達すると予測、がん分野での承認が同剤をブロックバスターに押し上げると見ている。