未承認薬会議 74の未承認薬など開発必要 厚労省は企業に開発要請へ
公開日時 2010/11/11 04:00
ドラッグ・ラグ改善を進める厚生労働省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」は11月10日、同日の会合までに新たに10の未承認薬と64の未承認適応を持つ薬剤について国内でも医療上の必要性が高く開発する必要があると判断した。これを受け同省は、関係企業の意見を聞いたうえで、11月以降を目途に開発要請または開発企業の募集を行う。
今回、開発の必要ありと判断された主な適応外薬では、SNRIのデュロキセチン(製品名:サインバルタ、塩野義製薬)の線維筋痛症の追加、抗がん剤ノギテカン(ハイカムチン、日本化薬)の再発・進行子宮頸がんの追加、抗ウイルス薬バラシクロビル(バルトレックス、グラクソ・スミスクライン)の小児用量の追加など。主な未承認薬には慢性疼痛治療薬としてハイドロモルフォン(米英独仏で承認済み、ムンディファーマ)などがある。
これら74件を全て開発要請することになれば、5月に行われた108件の第1回要請に続き、計182件となる。学会や患者などからの開発要望374件のうち、既に医療上の必要性が低いと判断されるなど要請に至らなかったのが187件(うち4件は承認済み)あり、会議で検討中なのは適応外薬5件というところまで進んだ。
◎4成分の未承認適応 公知申請が妥当
同日の会議では、開発要請を受けた企業から公知申請の意向が示されていた適応外薬について検討し、4成分の未承認適応について公知申請は妥当と判断した。4成分は次のとおり。
▽エタンブトール(製品名:エサンブトール、サンド。同:エブトール、科研製薬)追加要望適応:非結核性抗酸菌症
▽リファンピシン(リファジン、第一三共。リマクタン、サンド):非結核性抗酸菌症
▽メチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム(ソル・メドロール、ファイザー):ネフローゼ症候群
▽リュープロレリン(リュープリン、武田薬品):中枢性思春期早発症
これらは今月下旬に開催予定の薬食審の医薬品部会で公知申請が認められれば、保険適用となる。