サイニクスはオンコロジー市場に特化した売上予測ツール「ファイオンキャスト」を開発し、製薬企業への提供およびサポート業務を開始したと発表した。国内ではオンコロジー市場における業界初のツールで、同社が長年がん領域の疫学、売上予測の経験を集約してユーザーフレンドリーに使用できるよう開発したもの。疫学情報やターゲットとなる患者数を決める際に、同社が提供している他のツールと組み合わせて利用できるのも特徴だ。
　
ファイオンキャストは、近年のオンコロジー市場の拡大もあり、企業側からも「実務的に使えるツールはないかというニーズが多かった」ことから、それらの声に応えて開発したもの。オンコロジー市場の予測は生活習慣病を初めとするプライマリー市場などに比べ、市場予測の手法が複雑で、予測作業、予測結果の分析作業の効率化が求められていた。

例えば、疫学に関しては新規診断患者のみならず、再発患者を含めた「Treatable Patient」が必要で、患者のセグメンテーションの際にもがんの組織タイプや臨床ステージ、既治療例、治療抵抗患者など多数の分類が必要とされる。薬剤の投与量も薬剤によって体重／体表面積当たりの投与量もあれば固定用量のケースがあったり、投与方法に関しても、継続投与もあればサイクル投与のケースがあったりと、これらの課題に対応し得る予測モデルが求められていた。
　
国内では既にチャータースポンサーとして５社がファイオンキャストを利用中。同社の経験とユーザーからのインプットにより、より実務的かつユーザーフレンドリーな予測ツールとなっているが、今後も複数のオンコロジー領域の開発企業からインプットを得ることで、既存予測手法や機能の改善、新規追加等を随時検討していく方針という。