FDA 新規痛風治療薬Krystexxaを承認
公開日時 2010/09/17 04:00
米食品医薬品局(FDA)は、9月14日、新規痛風治療薬Krystexxa(pegloticase)を承認したと発表した。同剤の適応は、既存治療薬で効果が十分でない患者の痛風に伴う痛み。尿酸を無害の化学物質として代謝させ尿中に排泄、尿酸値を低下させるペグ化尿酸特異的酵素製剤で、2週に1回静注投与することで効果を発現する。既存のZyploprim(アロプリノール)およびUloric(フェブキソスタット)など血中の尿酸量を低下させるキサンチンオキシダーゼ阻害剤とは異なる作用機序を持つ。
同剤の承認は、212症例6カ月間の臨床試験データに基づいており、軟部組織・関節における尿酸値や尿酸結晶の蓄積を減少させることが分かっている。ただし、同剤を服用した4人に1人は重篤なアレルギー反応が出現したことから、反応を最小限に抑えるために服用前にステロイド剤、抗ヒスタミン剤の投与が求められている。そのほか、同剤にはREMS(リスク評価緩和戦略)の策定が義務付けられている。同剤は、Savient Pharmaceuticals(ニュージャージー州イーストブランズウィック)が製造する。
FDA医薬品評価研究センター(CDER)のBadrul Chowdhury呼吸器・アレルギー・リウマチ製品部長は、「痛風に悩む300万人の成人の3%は既存薬が無効なので、Krystexxaの登場は新たなオプションだ」と歓迎している。