GSK 新CFOにM&Aのベテランを起用 早くも買収活発化の憶測も
公開日時 2010/09/13 04:00
英グラクソスミスクライン(GSK)は、9月8日、現CFO(最高財務責任者)のJulian Heslop氏が2011年3月末で同社を退職、後任者にはゴールドマン・サックスのマネージング・ダイレクターのSimon Dingemans氏が2011年1月4日付で就任すると発表した。これを受け、米メディアやアナリスト筋では、GSKが大型買収を活発化するのではとの憶測が生まれている。
GSKのAndrew Witty CEOは、Dingemans氏起用の理由について、「GSKの株主価値を向上させ、業界にとってのこの重要な時期にGSKを内的成長と買収を続けるためには同氏の豊富な経験と卓越した能力を必要とする」と話している。同氏は、2000年に英電話会社ボーダフォンによる独MannesMannの買収を手がけたほか、ノバルティスによるネスレが所有するアルコン株式の取得、最近ではGSKとファイザーのHIV薬での合弁企業ViiV設立にも関与している。同氏は証券会社、投資銀行などで約25年M&Aに携わってきた。同氏の扱い額はゴールドマン・サックスだけでも5000億ユーロ(6360億ドル)に達すると報じられている。
そのような経験を持つDingemans氏のGSK入社だけに様々な憶測を呼んでも不自然ではないが、WittyCEOは中小規模M&Aは追及するもののメガマージャーを否定しており、同氏入社によりその方針を変更することはないとの見方も出ている。