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GLP-1受容体作動薬リラグルチドとDPP-4阻害薬シタグリプチンの直接比較

公開日時 2010/06/28 04:00

 

GLP-1受容体作動薬のリラグルチドと、DPP-4阻害薬のシタグリプチンの効果を直接比較した結果、リラグルチド群では治療開始時のHbA1cによらず、シタグリプチン群に比べ、HbA1c降下作用が強いことが分かった。第70回米国糖尿病学会議(ADA)で6月26日に行われたセッション「Incretin Comparison」で、英国のMalanie Davies氏が報告した。 (6月26日 米国・オーランド発 望月英梨)

GLP-1受容体作動薬とDPP-4阻害薬を直接比較した試験結果はすでに報告されており、リラグルチド1.8mg投与群が、シタグリプチン100mg投与群に比べ、HbA1cの低下率(P値<0.0001)、空腹時血糖値の中央値(P値<0.0001)や体重(P値<0.0001)についてもリラグルチド投与群で有意に減少させていることが分かっている。
 

Davies氏らはこの結果を受け、リラグルチド、シタグリプチンいずれの投与群において、治療目標に達成する上で投与開始時のHbA1c値が、与える影響を検討する目的でPost-hoc(後付け)解析を行った。

試験は、オープンラベルのランダム化比較試験で、13カ国から31施設が試験に参加した。対象は、18~80歳で、メトホルミン1500mg以上を3カ月以上投与しても十分な血糖コントロールが得られない(HbA1c7.5~10.0%)2型糖尿病患者。メトホルミンに、▽リラグルチド1.8mg上乗せ群221人▽リラグルチド1.2mg上乗せ群225人▽シタグリプチン100mg上乗せ群219人――の3群に分け、治療効果を比較した。

HbA1c値により、▽≦7.5%▽7.5~8.0%▽8.0~8.5%▽8.5~9.0%▽>9.0%―の5グループに層別化して、HbA1cの変化率をみたところ、HbA1c7.5%以下の群では、リラグルチド投与群で-0.9%、シタグリプチン投与群で-0.2%(P値=0.005)、HbA1cが7.5~8.0%の群では、リラグルチド投与群で-1.2%、シタグリプチン投与群で-0.7%(P値=0.003)、HbA1cが8.0~8.5%の群では、リラグルチド投与群で-1.4%、シタグリプチン投与群で-0.9%(P値=0.005)、HbA1cが8.5~9.0%の群では、リラグルチド投与群で-1.5%、シタグリプチン投与群で-1.2%、HbA1cが9.0%以上の群では、リラグルチド投与群で-2.3%、シタグリプチン投与群で-1.4%(P値<0.001)。いずれのグループでもリラグルチド群でシタグリプチン群に比べ、良好なHbA1c降下を示した。同様に、治療目標であるHbA1c<7%を満たした患者の割合もリラグルチド群で有意に多い結果となった。
 

◎「リラグルチドはベースラインにかかわらずHbA1c降下作用が大きい」Davies氏
 

Davies氏はこの結果を踏まえ、「リラグルチドは、患者の投与時(ベースライン)のHbA1cにかかわらず、シタグリプチンに比べ、HbA1c降下作用が大きい」と説明。一方、シタグリプチンについては「HbA1cが低いグループであっても、治療目標に達していない症例がある」と指摘した。
 
 
 
 

 

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