キッセイは５月11日、今月27日に発売予定の腎性貧血に用いるEPO製剤のバイオシミラー・エポエチンアルファBS注JCRについて、10年度に24億5000万円を売り上げる計画を明らかにした。うち上期は５億円を見込む。

計画値について同社は、「市場がどうなるか読み切れないところはあるが、情報提供をしっかりやっていきたい。顕実な数字といわれるかもしれないが、私どもとしては妥当だと思っている」とコメントした。同剤は、日本ケミカルリサーチ（JCR）と共同開発。販売はキッセイが行い、両社で全国の透析施設に対し情報提供を行う。先行品は協和発酵キリンのエスポー。

なお、10年度売上目標では、業績を牽引する排尿障害改善薬ユリーフは、第一選択薬としての地位の確立とともにトップシェアに向けた取り組みを進め100億円台（09年度87億円）に乗せる方針。同じく糖尿病治療薬のグルファストは、効能に追加したチアゾリジン系薬剤との併用の普及を見込み11％増の54億円を計画した。

同日は10年３月期（09年度）決算も発表した。ユリーフ、グルファスト、口腔乾燥症状改善薬サラジェンの主力３製品の２ケタ増はあったものの、技術料収入の減少、降圧剤シナロングの回収と販売権の返還、既存品の後発品・競合品の影響が大きく減収。利益面は、研究開発費の一部が来期の計上になったほか、08年度にあった特損が大幅に減ったことももあり、純利益は倍増となった。10年度は、6.6％の薬価改定の影響はあるが、主力品の伸長やEPO製剤の発売などで増収増益を見込む。

【連結業績（前年同期比）10年度通期予想（前年同期比）】
売上高621億7800万円（3.7％減）658億円（5.8％増）
営業利益65億8400万円（3.0％増）66億円（0.2％増）
経常利益72億2100万円（17.0％増）73億円（1.1％増）
純利益43億7100万円（112.1％増）47億円（7.5％増）

【09年度売上高（08年度実績）10年度通期予想、億円】
ユリーフ87.06（62.88）102.30
グルファスト49.11（42.97）54.50
サラジェン8.28（6.64）10.80
エポエチンアルファBS注JCR－（－）24.50
ベザトール84.95（87.88）80.20
ウテメリン48.76（54.50）42.60
キサンボン20.30（29.21）16.20
リザベン点眼液23.84（29.43）23.20
リザベン19.09（20.86）18.80
ドメナン3.49（4.82）3.20
カバサール30.92（39.53）25.60
フラグミン12.61（13.89）10.70
リズモンTG点眼液10.50（11.25）8.90
ゾラデックス1.8mgデポ7.31（7.40）7.50
フルスタン6.17（6.70）6.00
シナロング5.76（11.93）－