中医協総会 先発品より薬価の高い後発品の銘柄を公表
公開日時 2010/02/08 04:02
2010年4月の薬価改定で先発品より薬価が高くなる後発品が出てくることが判明し、その後発品の診療報酬上の取り扱い(後発品調剤体制加算の対象としてインセンティブを付けるかどうかなど)について2月3日と5日の中医協総会で議論したが、結論は出ず、改めて議論することとなった。先発品より薬価が高くなる後発品は現段階で8成分9銘柄16品目。厚労省は5日の総会で具体的な品目名を明らかにした(表参照)。
これまでに厚労省は、▽先発品より薬価の高い後発品は診療報酬上での加算対象から除外する▽除外品目リストを公表する▽調剤薬局の在庫問題や現場の混乱などに対応するため、10年9月末までは経過措置期間として先発品より薬価の高い後発品も加算対象とする――との対応策を提示した。後発品に対する診療報酬上のインセンティブは、患者負担の軽減や医療費抑制が目的のため、先発品より薬価の高い後発品にインセンティブを付けるのは目的に反するというのが理由だ。
これに健保連の白川修二委員ら支払い側は5日の総会で、「(加算対象に)値段の高い後発品まで入れるのは本末転倒」「在庫などの現場の混乱は6か月の経過措置で緩和できる」などと厚労省の対応策を支持した。その一方で、日本薬剤師会の三浦洋嗣委員は、「(3日に明らかになった問題のため)いきなり出てきても検討できない。現場の混乱を心配している」と強調し、在庫や実際の調剤での問題などを精査する時間が必要と訴えた。他の診療側委員からも「現場が混乱すると言っているので時間を与えてほしい」との声があがり、最終的には次回の中医協に議論を持ち越した。
現在の後発品調剤体制加算は、処方せんベースでの後発品調剤割合が30%以上(直近3か月)の場合に処方せんの受付1回につき4点が加算できる。10年4月からは後発品の使用をより促すため、後発品の調剤数量(直近3か月)を基準とし、数量の割合が20%以上、25%以上、30%以上でそれぞれ点数をつける方式に改める。特に25%以上、30%以上の場合に重点評価する方針。
●2010年4月の薬価改定で先発医薬品の薬価よりも高くなる見込みの後発品 |
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後発品の品目名 |
一般名 |
薬効 |
企業名 |
先発品の品目名 |
企業名 |
ハイセレニン細粒40% |
バルプロ酸ナトリウム |
抗てんかん剤 |
シェリング・プラウ |
デパゲン細粒40% |
協和発酵キリン |
ムコーサールドライシロップ1.5% |
塩酸アンブロキサール |
去たん剤 |
日本ベーリンガー |
小児用ムコソルバンDS1.5% |
帝人ファーマ |
テオロング錠50㎎、同錠100㎎、同錠200㎎ |
テオフィリン |
気管支拡張剤 |
エーザイ |
テオドール錠50㎎、同錠100㎎、同錠200㎎ |
田辺三菱製薬 |
アモリンカプセル125、同カプセル250、同細粒10% |
アモキシシリン |
ペニシリン系抗生物質 |
武田薬品 |
サワシリンカプセル250、同錠250、同細粒10%、パセトシンカプセル125、同カプセル250、同錠250、同細粒10% |
アステラス製薬 協和発酵キリン |
センセファリンカプセル250 |
セファレキシン |
セフェム系抗生物質 |
武田薬品 |
ケフレックスカプセル250㎎ |
塩野義製薬 |
メジテック |
過テクネチウム酸ナトリウム |
放射性医薬品(診断薬) |
日本メジフィジックス |
ウルトラテクネカウ |
富士フィルムRiファーマ |
マドロス輸液10%(500ml製剤) |
マルトース |
糖輸液 |
扶桑薬品 |
マルトス輸液10% |
大塚製薬工場 |
マレントール注射液(250ml製剤(瓶・袋)、500ml製剤(瓶・袋)、ソルラクトTMR輸液(250ml製剤) |
マルトース加乳酸リンゲル |
糖・電解質輸液 |
日本製薬 テルモ |
ポタコールR輸液、ポタコールR |
大塚製薬工場 |