アムジェンは骨粗鬆症分野で初のバイオ医薬品プロリア(一般名:デノスマブ)の大型化に期待を寄せているが、承認に向けて不確定要素も増えつつあるようだ。プロリアは閉経後骨粗鬆症の治療と予防、ホルモン除去療法中の前立腺がん患者の骨粗鬆症の治療と予防などを適応に承認申請が行われていたが、米FDAは10月19日に承認の見送りを決めた。
FDAはプロリアについて、新たに閉経後骨粗鬆症の治療と予防に関する同薬の安全性や市販後調査計画に関する追加データ、さらには予防効果に関わる試験計画を求めている。しかし、この直後、FDAはさらなる要求として、ホルモン除去療法中の前立腺がん患者の骨粗鬆症の適応について、同薬ががんの進行や全生存期間に悪影響を及ぼさないことを証明する臨床結果の提出を求めた。これにより承認までより多くの時間が必要になると見込まれている。
アムジェン側は要求に対応するために新たな試験は行わず、あくまでプロリアに関する現在進行中の1つも含めた既存の3つの骨関連事象試験の結果を整理する形で追加情報を提供する考え。これが認められれば審査の迅速化につながるため他の企業にも朗報となるがその行方は不透明だ。
多くのアナリストは、閉経後骨粗鬆症に関する承認案件だけでも最悪8カ月の期間を要するとの見方を示している。