英・アストラゼネカののShamik Parikh開発担当エグゼクティブ・ディレクターは、昨年末の米FDAによる心血管リスク評価ガイダンス施行されたことにより、糖尿病治療薬の開発でコスト増や試験デザインへの影響に懸念をみせている。
Parikh氏は、医薬情報協会が主催の糖尿病薬開発の安全性に関する会議で、同ガイダンスの施工により、各社の開発意欲が低下する可能性に懸念を表明した。
同社が米ブリストル・マイヤーズスクイブと共同開発したDPP-4阻害薬のOnglyza(一般名=サクサグリプチン)は、ガイダンス施工の影響を受け、7月のFDA承認後、心血管イベントのハイリスク群を対象とした市販後調査を求められている。
これを踏まえ、Parikh氏は「糖尿病薬フェーズ3試験はより不確実性を増し、開始前に投与量が確定していなければ、コスト増は避けられないだろう」と指摘。今後のフェーズ3デザインについては、有効性評価と心血管リスク評価を2つの試験で別々に行うことが望ましいとの考えを示した。
その上で、「製薬企業は市場性の高い薬剤開発という最終目標に焦点を当て今後も開発に取り組むべき」とも語った。
(The Pink Sheet 10月5日号より) FDAと米国製薬企業の情報満載 “The Pink Sheet”はこちらから