医薬品第二部会 GSKの子宮頸がんワクチンサーバリックスが通過
公開日時 2009/09/01 04:02
厚生労働省の薬食審・医薬品第二部会は8月31日、グラクソ・スミスクラインの子宮頸がんワクチンのサーバリックス(一般名:ヒトパピローマウイルス16型および18ウイルス様粒子(遺伝子組換え))の承認を了承した。ワイスの小児肺炎球菌ワクチンのプレベナー(肺炎球菌莢膜ポリサッカライド(血清型4、6B、9V、14、18C、19Fおよび23F)-CRM197結合体)や、遺伝子組換え型血液凝固第9因子製ベネフィクス(ノナコグアルファ(遺伝子組換え))なども通過した。9月下旬に開催予定の薬事分科会を経て正式承認する予定。
サーバリックスはヒトパピローマウイルス(HPV)16型と18型に起因する子宮頸がん(扁平上皮細胞がん、腺がん)とその前駆病変の予防が効能。国内では治験が実施中だった07年9月に非臨床試験や海外データを中心に申請しており、その後09年7月に国内治験の報告書をまとめデータが揃ったとしている。国内では成人(20~25歳)と未成年(10~15歳)を対象にした試験を実施。成人はプラセボ対照二重盲検試験(それぞれ500例規模)で、子宮頸がんの前駆症状の発症予防を2年間みた結果、予防率は90~100%。未成年では100例を対象に子宮頸がんの抗体価の陽転率をみた結果、予防率が100%だった。ともに海外データと遜色がなかったとしている。
プレベナーは、1~2歳に多いとされる髄膜炎など肺炎球菌による侵襲性感染症の予防を効能としている。国内では2~6ヵ月の乳児181例を対象に実施。初回接種後の抗体保有率は97.0~100%、追加接種後も98.0~100%だったという。同剤は初回接種3回、追加接種1回の計4回接種する。海外は90ヵ国で承認、うち16ヵ国で定期接種化されているという。
ベネフィクスは血友病B(先天性血液凝固第9因子欠乏)患者の出血傾向の抑制を効能効果としている。もともと海外では97年に承認取得し、日本も99年に海外データと日本の症例(3例)で申請。しかし、2000年に欧州EMEAによるGCP査察で海外治験の問題点を指摘され、追加試験を求められたことから、国内でもいったん申請を取り下げていた。その後07年になり、海外は新たな処方で承認を取得。国内でも申請を行った。現在は世界48ヵ国で承認されている。
サノフィ・アベンティスの高尿酸血症治療薬ラステリック(ラスブリカーゼ(遺伝子組換え))も了承。がん化学療法に伴う高尿酸血症を効能としている。化学療法による高尿酸血症は、悪性リンパ腫や急性白血病などでみられ、これまでは高尿酸血症治療薬アロプリノール(GSKのザイロリック)などで対応してきたが、適応取得はしていなかった。ラステリックは真菌由来の薬剤であり、抗体発現のリスクがあるため複数回投与することはできない。そのため高尿酸血症が起こりやすい初回化学療法などで使うとしている。
これら4品目については薬事分科会で再度承認の可否を審議する。