医薬品第一部会 武田のベイスン、2型糖尿病の発症抑制で適応追加
公開日時 2009/08/31 04:02
厚生労働省の薬食審・医薬品第一部会は8月28日、武田薬品の糖尿病治療薬ベイスン(一般名:ボグリボース)について、「耐糖能異常における2型糖尿病の発症抑制」の適応拡大を了承した。アストラゼネカの喘息治療薬シムビコート(ブデソニド・ホルモテロールフマル酸塩水和物)や日本イーライリリーの肺動脈性肺高血圧症治療薬アドシルカ(タダラフィル)なども通過した。
ベイスンの適応拡大については、対象はブドウ糖負荷試験(OGTT)による血糖値が140~200mg/dlの耐糖能異常で、食事療法や運動療法を十分に行っても改善されない場合に限るとしている。承認条件を義務づける見通しで、▽投与中止例の追跡調査を含めた市販後臨床試験の実施▽長期使用に関する試験の実施――の2点を医療機関に速やかに情報提供することとした。
武田薬品はベイスンの適応拡大について、国内で各群900例規模にのぼるプラセボ対照の臨床試験を実施。約2年間フォローし、プラセボに比べて同剤が2型糖尿病の発症を遅らせるデータが得られたという。ただ、投与中止例のなかには糖尿病が発症したケースのほかに、血糖値が正常化したものも含まれており、その後のフォローがなされていない。そのため厚労省側は投与中止例の追跡調査などの承認条件をつけることとした。審査管理課によると、「糖尿病治療薬でこのような効能追加は初めて」としている。
シムビコートは吸入ステロイド(ブデソニド)と長期間作動型吸入β2刺激剤(ホルモテロールフマル酸塩水和物)の配合剤。ブデソニドの単剤としてはアストラゼネカからパルミコートの製品名で販売されている。
アドシルカはフォスフォジエステラーゼ5(PDE5)阻害剤で、すでにED治療薬シアリスとして販売されている。先行する薬剤としてファイザーのレバチオ(シルデナフィルクエン酸塩)がある。
そのほか、ゼリア新薬の潰瘍性大腸炎治療薬アサコールや、東レのインターフェロンβフエロンのC型慢性肝炎における抗ウイルス薬リバビリン(製品名はレベトール、シェリング・プラウ)との併用療法の適応拡大なども了承された。