米会計検査院(GAO)は、FDAに対し、製薬企業が作成する販促物やDTC(消費者向け直接)広告の審査を改善することが必要と指摘している。FDAはこれまでに、審査にかかわるスタッフの増員などを行ってきたが、審査件数の増加に対応しきれていない現状が浮き彫りとなった。
販促物やDTC広告については、過去に過剰なものがあったことから、ゴーストライターの執筆禁止、安全性データモニタリング委員会での利益相反のある者の排除などが求められている。
FDAでは、迅速な審査を目指し、担当スタッフを04年の35人から08年には44人へと増員。予算も400万ドルから約1000万ドルへと2倍以上としている。しかし、販促物(完成版)の提出は、過去5年間で55%、原案の提出は47%増加。予算についても現状は通常予算で、医薬品業界がユーザーフィーを支払うことが認められておらず、十分な審査体制構築には至っていないとされている。
これに対しGAOは、FDAの問題解決に取り組むアプローチには一定の評価をみせた上で、「すべての審査に十分なリソースを持っていない」と指摘。必要なリソースが何か、どう補充するかについての計画性が根本的に欠如しているとしている。GAOが7月20日にまとめたFDAの審査についてまとめた報告書に記載された。
(The Pink Sheet 7月27日号より) FDAと米国製薬企業の情報満載 “The Pink Sheet”はこちらから