子宮収縮薬・頸管熟化薬 治療の必要性や危険性を説明・同意得て使用を 製薬5社が注意喚起
公開日時 2024/12/09 04:48
子宮収縮薬や子宮頸管熟化薬を製造販売する製薬5社は12月6日、治療の必要性や危険性を十分説明し、同意を得てから使用することなど適正使用を改めて注意喚起した。
適正使用を発出したのは、あすか製薬、丸石製薬、科研製薬、富士製薬、フェリング・ファーマの5社。▽子宮収縮薬・子宮頸管熟化薬を用いた治療の必要性及び危険性を十分説明し、同意を得てから使用すること、▽子宮収縮薬・子宮頸管熟化薬を使用する際は、トイレ歩行時等、医師が必要と認めた場合に一時的に分娩監視装置を外すことを除き、分娩監視装置を用いて連続的にモニタリングを行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと――を呼びかけた。
科研製薬は、製造販売する子宮収縮薬・ジノプロストン錠について、「点滴注射剤と比べ調節性に欠けるため、過量投与にならないように慎重に投与し、陣痛誘発効果、分娩進行効果を認めたときは投与を中止すること」も呼びかけている。
製品は、あすか製薬がアトニン-O注1単位/アトニン-O注5単位(オキシトシン注射液)、丸石製薬がプロスタルモン・F注射液1000(ジノプロスト注射液)、科研製薬がプロスタグランジンE2錠0.5mg「科研」(ジノプロストン錠)、富士製薬がオキシトシン注射液5単位「F」(オキシトシン注射液)及びジノプロスト注射液1000μg「F」/ジノプロスト注射液2000μg「F」(ジノプロスト注射液)、フェリング・ファーマがプロウペス膣用剤10mg――。プロウペスを除く各製品が子宮収縮薬、プロウペスは子宮頸管熟化薬。
日本医療機能評価機構から公表された「第14回産科医療補償制度再発防止に関する報告書」では、2009年~17年の子宮収縮薬使用事例が758件あった。このうち、使用についての説明と同意、及び分娩監視装置による胎児心拍数モニターが十分でない事例が報告されていた。