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日本イーライリリーのアルツハイマー治療薬・ドナネマブなど新薬2製品承認へ 薬事審・第一部会が了承

公開日時 2024/08/02 04:50
厚生労働省の薬事審議会・医薬品第一部会は8月1日、日本イーライリリーの早期アルツハイマー病治療薬・ケサンラ点滴静注液(一般名:ドナネマブ)など新薬2製品の承認を了承した。ケサンラは、アミロイドPET検査や脳脊髄液検査によって投与可否を判断して用いる。原則18か月まで投与可能だが、アミロイドプラークの除去が確認された場合は投与を完了できるのが特徴。

報告品目は、ARB・アジルバに2歳以上6歳未満の小児用量を追加するなど2製品。審議品目の2製品と、報告品目の大塚製薬工場のキドパレン輸液は9月中に、アジルバの小児用量の追加は8月中に承認される見通し。

【審議品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)

ケサンラ点滴静注液350mg(ドナネマブ(遺伝子組換え)、日本イーライリリー):「アルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度の認知症の進行抑制」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。

N3pGAβ(N末端第3残基においてピログルタミル化されたアミロイドβ)に対する遺伝子組換えモノクローナル抗体。脳内に沈着したアミロイドプラークを特異的に標的とし、プラークの除去をもたらす。これによりアルツハイマー病(AD)による認知機能や日常生活機能の悪化の遅延をもたらす。臨床的意義を持つ薬剤には23年9月に承認された早期AD治療薬・レケンビ点滴静注(一般名:レカネマブ)があり、同剤は2剤目となる。海外では、米国で24年7月にアルツハイマー病に係る効能・効果で承認されている。

ケサンラの用法・用量は、「通常、成人にはドナネマブ(遺伝子組換え)として1回700mgを4週間隔で3回、その後は1回1400mgを4週間隔で、少なくとも30分かけて点滴静注する」。

厚労省医薬局医薬品審査管理課の担当官によると、ケサンラはアミロイドPET検査や脳脊髄液検査によって脳内のアミロイドベータの蓄積や濃度を検査し、投与の可否を判断する。検査はどちらを行っても問題ない。投与期間は原則18カ月までで、アミロイドプラークの除去が確認された場合は投与を完了できる。この点は添付文書に記載される予定。投与開始から12カ月時点でアミロイドPET検査を行い、アミロイドプラークの除去の確認を求める。担当官によると、「(ケサンラは)投与を完了できるところがレカネマブとの大きな違い」としている。

また、ARIAのリスク管理のため、投与開始後にMRI検査を行うことも求める。なお、臨床試験におけるケサンラの安全性は、ARIA-E(脳の一部または複数の領域の一時的な浮腫)は24.0%、ARIA-H(微小出血または脳表ヘモジデリン沈着)は31.4%に認められた。

セプトカイン配合注カートリッジ(アルチカイン塩酸塩/アドレナリン酒石酸水素塩、ジーシー昭和薬品):「歯科領域及び口腔外科領域における浸潤麻酔又は伝達麻酔」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品及び新医療用配合剤。再審査期間は8年。

海外では、1988年にフランスで承認されて以降、24年3月時点で欧米等を含む93の国又は地域で承認されている。

【報告品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
報告品目は医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査段階で承認して差し支えないとされ、部会では審議せず、報告のみでよいと判断されたもの。

キドパレン輸液(-、大塚製薬工場):「経口・経腸管栄養補給が不能又は不十分で、経中心静脈栄養に頼らざるを得ない慢性腎不全患者(高カリウム血症、高リン血症の患者又はそのおそれのある患者に限る)に対する水分、電解質、カロリー、アミノ酸、ビタミン補給」を効能・効果とする類似処方医療用配合剤。再審査期間なし。

用法・用量は、「用時に上下2室の隔壁と上室内にある黄褐色の小室を同時に開通し、十分に混合して使用する。通常、成人には1050mLの維持量を24時間かけて中心静脈内に持続点滴注入する。本剤は、高濃度のブドウ糖含有製剤なので、特に投与開始時には耐糖能、肝機能等に注意する。低速度(目安として維持量の半量程度)で投与開始し、徐々に1日当たりの投与量を漸増して維持量とする。なお、症状、年齢、体重に応じて適宜増減する」。

アジルバ錠10mg、同錠20mg、同顆粒1%(アジルサルタン、武田薬品):「高血圧症」を効能・効果とし、2歳以上6歳未満の小児用量を追加する新用量医薬品。再審査期間は残余(2025年9月26日まで)。

アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)。今回追加するのは2歳以上6歳未満の小児に対する用法・用量で、小児高血圧症の治療環境を整える。アジルバは現在、小児適応では6歳以上の用法・用量で承認されている。

2歳以上6歳未満の小児の用法・用量は、「通常、アジルサルタンとして0.1mg/kg(最大2.5mg)の1日1回経口投与から開始する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減するが、1日最大投与量は0.8mg/kg(最大20mg)とする」。
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