実は、思っているよりずっと運動不足
公開日時 2013/04/16 05:00
アメリカ人の「職場」外での運動量は1965年から2009年までの間に40%増加したと言われている。この間、アメリカ人はより意識的にエクササイズするようになったということである。それにもかかわらず、現代アメリカ人の一日平均の総運動量はいまだ必要量を満たしていない。2010年の調査によれば、アメリカ人は一日平均5117歩しか歩いておらず、いわゆる必要運動量(一日1万歩)にはるかに及ばない。(医療ジャーナリスト 西村由美子)
アメリカ人の健康とエクササイズに関する興味深い研究に、24万人を8年半にわたって追跡調査した研究がある。2012年に”American Journal of Clinical Nutrition”に掲載された研究によれば、テレビ視聴時間の長いアメリカ人(つまりテレビの前に座っている時間の長いグループ)は、たとえ意識的にエクササイズをしていても、テレビ視聴時間の短いグループよりも健康リスクがより高いという調査結果が出ている。
要するに「定期的にエクササイズするだけでは健康リスクを回避できない」のであり、現代アメリカ人の日常生活はそれだけ「座り仕事」中心だということである。
一日に歩く歩数が肥満と相関するという研究もある。州民の一日の平均の歩数と,その州の州民の平均肥満度は反比例の関係にあることが、研究により明らかになっている。たとえば全米で州民の肥満率がもっとも低い州の一つであるコロラド州の州民は一日に平均6500歩あるいているのに対し、もっとも肥満率の高いテネシー州の州民の一日の平均歩数は4500歩なのである。
アメリカの研究のおもしろいところは実際的なアドバイスが提案されていることだ。テレビ視聴時間の長いグループへの研究者からのアドバイスは「コマーシャルの時間にはテレビの前を行ったり来たりして歩こう」というもので、「90分のテレビ番組では、コマーシャルの時間に歩き回るだけで3000歩は歩ける」はずだという。また、歩数を伸ばすために推奨されているのは「歩数計を持つこと」だ。