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MDV PHR「カルテコ」で34疾患の発症リスクをAI予測 行動変容や二次健診受診のきっかけに

公開日時 2024/10/03 04:47
メディカル・データ・ビジョン(MDV)は9月27日、PHRサービス「カルテコ」でAIを活用して34疾患の発症リスクが予測できる機能を10月31日から開始すると発表した。同社が保有する4867万人(8月末時点)の診療データベースを基にAI予測モデルを構築。健康診断結果を入力すると、3年以内の「疾患リスク」などがわかる。MDV事業企画本部運用企画部門長の平井真司氏は同社で開いた記者説明会で「健診の数値だけでは想像しにくい部分を疾患リスクとしてわかりやすくすることで、健康維持への行動変容や二次健診受診のきっかけにしていきたい」と述べた。

発症リスク予測が可能な34疾患は、▽高血圧▽糖尿病▽脂質異常症▽高尿酸血症▽閉塞性動脈硬化症(下肢)▽脳卒中▽虚血性心疾患▽心不全▽緑内障▽白内障▽急性ストレス反応▽逆流性食道炎▽胃十二指腸潰瘍▽食道がん▽胃がん▽COPD(慢性閉塞性肺疾患)▽肺がん▽脂肪肝▽慢性肝炎▽肝硬変▽肝がん▽胆嚢炎▽慢性膵炎▽膵がん▽慢性腎不全▽小腸大腸のポリープ▽大腸がん▽子宮内膜症▽子宮がん▽乳がん▽前立腺肥大症▽前立腺がん▽関節リウマチ▽悪性リンパ腫―。

◎ソニーのAI予測分析ツール活用 MDVの診療データベース基に予測モデル構築

各疾患の発症予測モデル作成には、ソニーネットワークコミュニケーションズのAI予測分析ツール「Prediction One」を活用。MDVの診療データベースを基に、健診結果とその後の疾患データの関連性などからAIを活用してリスク予測ができるようにした。予測モデルの精度は34疾患全てで、評価指標であるAUCにおいて信頼性が「よい」とされる80%以上を達成しているという。

◎検査値50項目以上を入力で疾患リスクや倍率を表示 生活習慣を見直すシミュレーター機能も

カルテコ利用者は、問診も含めた50項目以上の検査値を入力。34疾患について、3年以内の「疾患リスク」や同性同年代と比較した「疾患倍率」、疾患発症時のQOLへの影響度合いなどを考慮したMDV独自の「健康リスク」がわかる。健診で検査していない項目などはAIがほかの検査値から予測して補完する。さらにリスクシミュレーター機能もあり、喫煙の有無や体重、血圧などの項目を変えた場合の変動がわかる。生活習慣の見直しなどが疾患リスクにどう影響するかを数値として知ることができる。利用料は月額550円。25年の利用者を1.5~3万人と見込む。今後、自宅で検査数値が測定できる簡易キットの導入も検討しているという。

説明会でMDVの平井氏は「あくまで疾患予測は医師による診断ではなく、行動変容や二次受診のきっかけづくり」とした上で、「誰もが当たり前のように自らのリスクを把握し、対処するという文化をつくっていきたい」と強調。医療従事者の立場から出席した東京センタークリニックの長嶋浩貴院長は「より複雑で、より専門性の高い個別化されたヘルスケアを実現するために、従来の早期介入よりももっと早い“超”早期発見、“超”早期治療が重要だ。その実現に向けて、カルテコのようなAIの進化がカギになる」と訴えた。
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