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くすりの適正使用協議会 オーバードーズ対策の啓発資材公開 「精神保健の専門家につなぐきっかけに」

公開日時 2024/10/02 04:50
くすりの適正使用協議会は10月1日、社会問題化する若い世代の医薬品のオーバードーズ(OD)を防ごうと、日本大学薬学部薬剤師教育センターと共同で啓発資材(写真)を制作し、無料公開を始めた。同日会見した協議会の俵木登美子理事長は「依存症になったり、なりかけたりしている子どもたちを守るには精神保健の専門家につなぐことが重要。ゲートキーパーとなる地域の薬剤師や登録販売者、学校の先生方に資材を活用していただきたい」と訴えた。

医薬品のODをめぐっては、10代や20代の若い世代を中心に深刻な社会問題となっている。国立精神・神経医療研究センターの「全国の精神科医療施設における薬物関連精神疾患の実態調査(2022年)」によると、全国の精神科医療施設で薬物依存症の治療を受けた10代患者の「主たる薬物」の推移では、14年調査では0%だった市販薬の割合が16年に25.0%、18年に41.2%、20年に56.4%、22年に65.2%と増加している。協議会によると、SNSの普及が背景にあるとみられ、低年齢化も進んでいるという。

◎ODの一例を描いたマンガや依存症から抜け出すためのメッセージを紹介

協議会と日大が共同制作した啓発資材はA41枚(両面)のPDF形式。ODに陥る女子生徒の一例を紹介したマンガと依存症から抜け出す一歩として当事者や友人、保護者、教師に向けたメッセージが書かれている。記載のQRコードからは相談先として全国の精神保健福祉センターの連絡先を掲載している。資材の内容は国立精神・神経医療研究センターの松本俊彦医師と厚生労働省が監修した。

資材は主に学校などの教育現場や、薬局などの販売店での活用を想定しており、協議会HPなどから自由に印刷できる。日本薬剤師会や日本チェーンドラッグストア協会、日本保険薬局協会、日本医薬品登録販売者会、日本OTC医薬品協会の協力も得て、周知を進めていく。

また、協議会は同日、警察庁、東京都薬剤師会、日本薬剤師会との4団体で「児童・生徒の薬物乱用防止に関する覚書」も締結。都内の小中高校などでの「TOKYO薬物乱用防止教室」の実施や、販売店での取り組みなどで連携を図っていくという。
 
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