アステラス製薬 使い切り心電計検査サービスを国内独占販売へ 21年度内にパイロット販売
公開日時 2021/09/03 04:51
アステラス製薬は9月2日、使い切り心電計による検査サービスの国内独占販売を行う予定と発表した。日東電工とエムハート(本社:岩手県盛岡市)と締結した基本合意書に基づくもの。同社では、販売体制についてMRの活用も含め検討中としているが、「医療機関との付き合いがあり、強みを発揮できる」と意気込んでいる。21年度内に地域を限定したパイロット販売を開始し、その後全国展開する予定。同社が注力している医療技術と異分野の技術との融合で新たなビジネスを創出する「Rx+事業」の一環として取り組む。
同社が販売を予定しているEG Holterは、Nittoが開発・製造した使い切りのホルター心電計。本体は厚さ6mm、重さ11gと小型で、コードレスで付け外しが簡便なうえに、防水性能を備えている。使い切りのためメンテナンスが不要で、衛生的に快適に装着できるという特徴もある。2021年8月30日にエムハートが医療機器(クラスII)としての認証を取得していた。
アステラス製薬では7月、エムハートと共同開発した「マイホルターII」の提供を開始している。同プログラムは、ホルター型心電図検査のデータを独自の人工知能(AI)を用いた解析アルゴリズムにより、効率的・高精度で解析するシステム。このため、EG Holterによって得られたデータをマイホルターIIで解析するサービスの提供も考えている。サービスの提供は、エムハートが担う。同サービスでは、計測後に患者がEG Holterを専用封筒で直接受付センターに郵送することにしており、機器返却のために医療機関へ出向く必要がない。また、医療機関はマイホルターIIを経由して、オンラインで検査結果を入手できるため、患者と医療機関双方の負担を軽減できるという。
3社は、「EG Holterによる利便性の高い心電図検査と、マイホルターIIによる効率的で高精度なデータ解析を組み合わせたトータルソリューションを提供することによって、国内で70万人以上の患者さんがいると推計される心房細動等の早期発見、適切な治療につなげることで、健康寿命延伸への貢献を目指していきたい」とコメントしている。