日本ケミファ・DFP社 がん微小環境改善剤に関するライセンス契約締結へ
公開日時 2020/03/25 04:50
日本ケミファとベンチャー企業のDelta-Fly Pharma(本社:徳島県徳島市)は3月24日、DFP社が特許を持つがん微小環境改善剤「DFP-17729」に関するライセンス契約の締結に合意したと発表した。契約にもとづきDFP社は、日本ケミファに対し、国内の独占的販売権と独占的製造権を付与する。DFP社によると、契約は3月中にも締結される見込みで、日本ケミファはDFP社に対し、契約一時金を支払う。
同化合物は、がん細胞が増殖するためにがん細胞外に放出する酸性物質により、酸性となっている腫瘍周囲の環境をアルカリ化することにより、腫瘍周囲の微小環境を改善する作用を持つ。DFP社では、「アルカリ化で中和することで、転移の抑制や治療の効率化に効果がある」として、難治性がんの画期的治療効果に期待を寄せている。今秋までに、既存の抗がん剤との併用で、すい臓がん患者を対象に臨床試験を実施する考え。
DFP社によると、日本ケミファは、主力品の高尿酸血症治療薬・ウラリットに代表されるように、アルカリ化療法剤に強みがあるため、契約の締結を持ち掛けたという。