米議会上院 FDA長官にCaliff氏を承認
公開日時 2016/02/26 03:50
米議会上院は2月24日、食品医薬品局(FDA)新長官に現副長官のRobert Califf氏が就任することを承認した。Califf氏は昨年9月15日、オバマ大統領の指名を受け、議会の承認を待っていた。
Califf氏は心臓専門医。2015年3月からは、FDA副長官(医療製品およびタバコ担当)を努めてきた。2006~15年まで、Duke Universityで、医学部教授、副学長、橋渡し研究所(Duke Translational Medicine Institute)所長などの要職を歴任したほか、学外では全米アカデミー医学研究所(IOM)の委員なども務めた。1996~2000年には、FDA心臓・腎諮問委員会(CRAC)の委員に従事した。
同氏は、2006年にDuke Universityの学内CRO(臨床試験受託機関)としてClinical Research Instituteを創設、CRIでは米メルク社の高脂血症薬Zetia(エゼチミブ)の臨床試験IMPROVE-ITを主導した経験を持つなど、医学分野ばかりでなく医薬品業界にも精通しているとの評価を得ている。
議会で審議が継続している「21世紀の治療法」(The 21st Century Cures Act)案への対応が初仕事になるとみられている。法案は、医薬品開発の迅速化、効率化を図ることによって米国医薬品産業の競争力強化を目指しているが、一部臨床試験の短縮化なども組み込まれているため、消費者団体などからは、医薬品の安全性を損なうとの批判も出ている。このため、反対意見との調整も課題となると思われる。米国官公庁における長官就任は、大統領指名後、議会上院のみの承認を必要とする。
昨年3月Margaret Hamburg前長官が辞任後、長官代行を務めていたStephen Ostroff氏は、同日、声明を発表、そのなかで、「Califf氏は、社会の変化と我々が規制する多数の領域にわたって公衆衛生の保護と促進に対応するというFDAの重要な役割を十分に理解しているので、我々の衛生上および科学的貢献が同氏の卓越した指導力のもとでさらに高まることに自信を持っている」と話した。
なお、米バイオテクノロジーイノベーション協会(BIO)のJim Greenwood理事長兼CEOは、同日、Califf氏の就任を歓迎するとの声明を発表した。