GSK 3つの新薬で希少疾病用医薬品の指定を取得 呼吸器とがん領域で
公開日時 2013/09/20 03:50
GSKは9月19日、呼吸器とがん領域で開発中の3つの新薬について13日付で希少疾病用医薬品の指定を受けたと発表した。指定を受けた3薬は、呼吸器疾患のチャーグ・ストラウス症候群治療薬で抗IL-5ヒト化モノクローナル抗体のmepolizumab、BRAFv600遺伝子変異を有する悪性黒色腫の分子標的薬であるダブラフェニブとトラメチニブ。BRAF阻害薬のダブラフェニブとMEK阻害薬のトラメチニブは併用で使用される予定。
チャーグ・ストラウス症候群は好酸球性多発血管炎肉芽腫症とも呼ばれ、気管支喘息やアレルギー性鼻炎が先行し、好酸球増多や血管炎症状をきたす疾患。蛋白尿や中枢神経障害、消化管病変など予後不良因子を2つ以上有する場合の5年生存率は54%と報告されている。国内の推定患者数は1866人。ステロイド剤による治療で不十分な場合、免疫グロブリン製剤を用いることができるが、神経障害以外の臓器障害改善への有効性は明らかにされていない。開発中のmepolizumabは、抗IL-5モノクローナル抗体のファーストインクラス薬で、10月から国際共同フェーズ3が開始され、日本も参加予定。
一方、悪性黒色腫は、遠隔転移を有する患者の5年生存率が20%と予後不良な皮膚がんで、現在は標準治療としてダカルバジンの単剤療法が行われているが、その効果は不十分とされる。ダブラフェニブとトラメチニブは、海外のフェーズ3試験において、ダカルバジンとの比較で無増悪生存期間を有意に延長した。米国ではこの5月に承認され、欧州では現在審査中。国内でBRAFv600遺伝子変異を有する悪性黒色腫の患者数は800~1200人と推定されている。