中外製薬のがん遺伝子パネル検査「FoundationOne CDx」承認取得 コンパニオン診断も
公開日時 2018/12/28 03:50
中外製薬は12月27日、次世代シークエンサーを用いた遺伝子変異解析プログラム「FoundationOne CDxがんゲノムプロファイル」の薬事承認を取得したと発表した。固形がんに関連する324の関連遺伝子の変異状況を一括して把握できるだけでなく、非小細胞肺がん(NSCLC)や大腸がんなどでコンパニオン診断の役割を果たすのが特徴。個別化医療の重要性が高まるなかで、早期診断を実現し、患者個人に合致した早期治療につながることが期待される。
同製品は、固形がんに関連する324のがん関連遺伝子の変異状況を一括して把握することができる。それと同時に、EGFR遺伝子やALK遺伝子などの遺伝子変異についてコンパニオン診断も同時に行えるのが大きな特徴だ。2つの機能をあわせもつ製品が承認されるのは初となる。遺伝子変異結果のサマリーだけでなく、対応する分子標的治療薬、その承認状況や現在進行中の臨床試験情報を医師に提供することで、個別化医療の実現を後押しする。
◎NSCLCや大腸がんなどのコンパニオン診断も 早期の個別化医療実現を後押し
コンパニオン診断の機能を持つのは、以下(遺伝子変異等、がん種、関連する医薬品の順)。
▽EGFRエクソン19欠失変異・エクソン21L858R変異、非小細胞肺がん、アファチニブ・エルロチニブ・ゲフィチニブ・オシメルチニブメシル
▽EGFRエクソン20 T790M、非小細胞肺がん、オシメルチニブメシル
▽ALK融合遺伝子、非小細胞肺がん、アレクチニブ・クリゾチニブ・セリチニブ
▽BRAF V600E及びV600K変異、悪性黒色腫、ダブラフェニブ・トラメチニブ・ベムラフェニブ
▽ERBB2コピー数異常(HER2遺伝子増幅陽性)、乳がん、トラスツズマブ
▽KRAS/NRAS野生型、直腸・結腸がん、セツキシマブ・パニツムマブ
同社の小坂 達朗代表取締役社長 CEOは、患者の遺伝子変異に応じた治療を実現できることについて、「これまでのがん治療は腫瘍臓器をベースとした考え方に基づくものだったが、患者さんごとの遺伝子変異に応じて治療を行う全く新しいアプローチが現実のものとなる」と期待を寄せた。
米国ではすでに、ファウンデーション・メディシン社の製品であるFoundation Medicine,Inc(FMI)のFonudationOneと、FonudationFocusCDxBRCAが承認を受けている。