厚労省医薬・生活衛生局は6月5日、新たな重大な副作用が判明した医療用薬について、添付文書を改訂するよう日本製薬団体連合会に通知で指示した。この中でヘリコバクター・ピロリの除菌などに用いるメトロニダゾール含有製剤(経口剤、注射剤)は、肝機能障害を添付文書に明記し、注意喚起することになった。
改訂指示のあった製品と概要は次のとおり。
▽フラジール内服錠(メトロニダゾール、塩野義製薬)、アネメトロ点滴静注液(同、ファイザー)
▽ランピオンパック(ランソプラゾール・アモキシシリン水和物・メトロニダゾール、武田薬品)
▽ラベファインパック(ラベプラゾールナトリウム・アモキシシリン水和物・メトロニダゾール、エーザイ)
▽ボノピオンパック(ボノプラザンフマル酸塩・アモキシシリン水和物・メトロニダゾール、武田薬品)
指示概要:「重大な副作用」に「肝機能障害」を追記。ほか慎重投与、重要な基本的注意にも追記。
過去3年の国内報告数(因果関係が否定できない例数):フラジール、アネメトロのみ2例(死亡例なし)
薬効分類:641抗原虫剤、619その他の抗生物質製剤
▽アンカロン錠、同注(アミオダロン塩酸塩、サノフィ)他
指示概要:「重大な副作用」に「無顆粒球症、白血球減少」を追記。
過去3年の国内報告数(因果関係が否定できない例数):1例(死亡例なし)
薬効分類:212不整脈用剤
▽ジーラスタ皮下注(ペグフィルグラスチム遺伝子組換え、協和発酵キリン)
▽グラン注射液、同シリンジ(フィルグラスチム遺伝子組換え、協和発酵キリン)他、バイオ後続品(持田製薬、富士製薬、日本化薬、武田テバファーマ、サンド)
▽ノイトロジン注(レノグラスチム遺伝子組換え、中外製薬)
指示概要:「重大な副作用」に「大型血管炎(大動脈、総頸動脈、鎖骨下動脈等の炎症)」を追記。
過去3年の国内報告数(因果関係が否定できない例数)
ペグフィルグラスチム:11例(死亡例なし)
フィルグラスチム:1例(死亡例なし)
レノグラスチム:2例(死亡例なし)
薬効分類:339 その他の血液・体液用薬
▽アフィニトール錠、同分散錠(エベロリムス、ノバルティスファーマ)
指示概要:「重大な副作用」に「創傷治癒不良」を追記。
過去3年の国内報告数(因果関係が否定できない例数)なし
改訂理由:0.25mg、0.5mg、0.75mgの審査で創傷治癒不良が追記されたことを踏まえた対応
薬効分類:429 その他の腫瘍用薬
▽オルプロリクス静注用(エフトレノナコグ アルファ遺伝子組換え、バイオベラティブ・ジャパン)
指示概要:「重大な副作用」に「ショック・アナフィラキシー」を追記。
過去3年の国内報告数(因果関係が否定できない例数):1例(死亡例なし)
薬効分類:634 血液製剤類