製薬業界 薬価の全面毎年改定に「断固反対」 きょう中医協で意見陳述

公開日時 2016/12/09 03:52
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製薬業界は12月9日に開催される中医協の意見陳述で、「薬価の全面改定を毎年実施することは、企業の競争力を一様に弱体化するとともに、国の成長戦略の方向性に反するものであり、イノベーションの創出や医薬品の安定供給等、保険医療に貢献する医薬品の提供に重大な支障を及ぼすことになる」と表明し、薬価の全面毎年改定に断固反対する。今週7日開催の経済財政諮問会議で、官邸のトップダウンのもと、薬価の毎年改定導入は避けられない事態となった。焦点となっているのが、改定(薬価引下げ)の対象範囲だ。厚労省は、効能追加によって大幅に市場が拡大した製品と薬価差の大きい製品を改定の対象品目とすることを提案している。これに対し、製薬業界は効能追加によって大幅に市場が拡大した製品については容認する姿勢で一致。一方、薬価差の大きい製品を対象とすることについては、国内の研究開発型製薬企業や欧米団体は容認する構えなのに対し、ジェネリックメーカーなどは、反発を強めている。


今週7日の経済財政諮問会議では、民間議員が全品を対象に薬価調査を行い、それに基づいた薬価改定を求めた。これに対し、塩崎厚労相は、レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)データや経時変動調査を活用し、全品目を対象とした上で、効能効果の追加などで当初の予想販売額を上回る医薬品や、後発医薬品など市場実勢価格と薬価の乖離率が大きい製品を洗い出すなど、一定の水準や要件を定めた上で、薬価を引き下げる考えを示した。製薬業界側は、厚労省案を支持するとみられるが、薬価差が大きい製品についての薬価引き下げについては、ジェネリックメーカーなどが導入に強く反発しており、必ずしも一枚岩とは言えない状況だ。


◎効追による市場拡大品目「柔軟に対応するルール検討が必要」


日本製薬団体連合会(日薬連)、米国研究製薬工業協会(PhRMA)、欧州製薬団体連合会(EFPIA)の日米欧3団体は、共同できょうの意見陳述に臨む。その中で、「現行の薬価制度には各種課題があることは十分に承知しており、製薬業界としても、薬価制度の抜本改革に向けた議論には、前向きに参画し、協力する所存である」と強調する。その上で、焦点となる毎年薬価改定については、「2年に1度の診療報酬改定と合わせて薬価改定を行うことが医薬品と技術の適正な評価とバランスにつながることを考えており、薬価のみ毎年改定を行うことは、診療報酬体系とのバランスを損なうことになる」、「薬価制度には様々な政策ルールが導入されており、改定にあたってその効果を検証し、十分な議論を行うためには、少なくとも2年の間隔が必要」などと主張を繰り広げ、“断固反対”の姿勢を強力に打ち出す考え。


改定の対象範囲については、効能追加による市場が拡大した医薬品の薬価の見直しについては、「柔軟に対応するルールの検討が必要」との見解を示す。ただし、「開発を妨げることがない制度設計が必要」と主張する。オプジーボやC型肝炎治療薬・ハーボニー、ソバルディに特例拡大再算定が適応されたが、「再算定は、薬価算定の前提条件が著しく変化した場合に適用するルール」とし、前提条件に著しい変化がないにもかかわらず、市場規模の拡大の事実のみをもって市場拡大再算定を適用することは妥当ではなく、「使用実態の著しい変化を判断する基準についての検討が不可欠」、「特例拡大再算定については、廃止も含めた見直しを検討すべき」と反発する考え。

一方で、新薬創出・適応外薬解消等促進加算については、「革新的新薬の創出を加速させるとともに、未承認薬・適応外薬やドラッグ・ラグの解消を実現させる」とし、「現行ルールによる制度化」を訴える。


◎後発医薬品「すでに十分低い水準」


後発医薬品については、諮問会議の民間議員が既収載品に対して3~4割程度に引下げるべき、価格帯を一本化すべきと主張している。


これに対し業界側は、初収載品の薬価引き下げについては、「(平成)24年、26年、28年と3回連続で引き下げられ、すでに十分低い水準にあり、国際的にみても必ずしも高いとは言えない」、「医薬品の市場実勢価格は剤型、成分によってさまざまであり、それぞれの市場実勢価格に基づかずに一律に設定されている初収載薬価をさらに引き下げることに合理的な理由はない」と批判。価格帯の集約については、「銘柄ごとの市場実勢価格と改定薬価のかい離が拡大するという不合理が生じる」と指摘し、「安定供給などの努力が反映されず、経営の予見性、安定性も損なわれることになる」と主張する。
 

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