大日本住友 AG事業に参入、プロモーション子会社設立 MR約40人で始動へ
公開日時 2016/10/28 03:51
大日本住友製薬は10月27日、オーソライズド・ジェネリック(以下、AG)を中心にプロモーションする子会社「DSファーマプロモ株式会社」(以下、新会社)を設立し、12月1日から事業を開始する予定と発表した。自社品の特許切れによって後発医薬品(GE)に奪われる市場シェアや売上を、AGで防衛する。また、給与などは低くなるが、定年後の労働環境を整備・提供するねらいもある。新会社の発足当初は、AGではないが、長期収載品の経口血糖降下薬メトグルコのみ扱い、同剤の減収影響の最小化に取り組む。
AGは先発品メーカーが認定し、原薬、添加物、製法などが先発品と同じ後発品のこと。先発品メーカーから特許実施の許諾を得て、GEに先行して発売することも少なくなく、この場合はAGが高い市場シェアを獲得するケースが多い。大日本住友はこれまでAGを扱っていなかった。
多田正世社長は同日開いた16年度第2四半期決算会見で、「いろいろな事情があってAG等をプロモーションする新会社を立ち上げ、スタートする」と述べた。
新会社は大日本住友100%出資の完全子会社。MR数は約40人。11月中旬に設立、12月1日から事業を開始する予定。代表取締役は大日本住友の前営業本部長の中島亨氏が就任する。主な取扱製品は▽今後長期収載品化する製品のAG▽メトグルコ――としている。AGは他社からの導入も前向きに検討する。
■新会社は調剤薬局中心に展開
新会社はメトグルコを大日本住友本体と連携してプロモーションする。大日本住友の木村徹・経営企画部長は会見で、新会社は「大日本住友本体がプロモーションできていない施設を担当する」「調剤薬局を中心にプロモーションする」と話し、大日本住友本体と新会社でプロモーション先が異なると説明した。
AG製品の投入計画や、GEに先行してAGを発売していくかどうかについては、木村部長は戦略上の理由から明言を避けた。新会社でGEも扱うかどうかに関しては、「新会社でまとめて扱っていくことは基本的には考えていない。あくまでAGをプロモーションしていく」と語った。
新会社の給与などの処遇は大日本住友本体よりも低く抑える。この点について木村部長は、「(新会社は)ローコストかつ定年後も働ける新しいシステム。同じような人事制度をひとつの会社で動かしていくのは非常に難しいので、新会社を別に設立した」と説明した。