米FDA 2型糖尿病治療薬・リキシセナチドを承認
公開日時 2016/08/02 03:50
米食品医薬品局(FDA)は7月28日、2型糖尿病治療薬Adlyxin(リキシセナチド、日本製品名:リキスミア)注射剤を承認した。リキシセナチドは、GLP-1受容体作動薬で1日1回投与の注射剤。適応は、成人における2型糖尿病患者の食事療法ならびに運動療法の補充療法。
主な副作用は、低血糖、悪心、嘔吐、頭痛、下痢など。アナフィラキシーを含む重篤な過敏性反応が臨床試験で報告された。FDAは、今回の承認にあたり、小児における用量設定、安全性および有効性の評価のための市販後臨床試験およびリキシセナチドの免疫原生試験の実施を求めた。
同剤は、仏サノフィ社の米法人Sanofi-Aventis U.S.LLC社(本社:ニュージャージー州ブリッジウオーター)が製造する。
サノフィ社のPeter Guenter上級副社長(グローバル糖尿病および心血管ビジネスユニット部門長)は、「Adlyxinの承認は、糖尿病患者が個々のHbA1C目標値を目指し、それを維持しようと試みる中で、患者が直面する課題を解決しようと取り組み続けていることの証である」と同社の糖尿病克服への貢献に触れた。その上で、「同剤は基礎インスリンで血糖を管理できない患者を支援続ける機会を提供してくれたので、この承認を喜んでいる」と話した。
同剤は、Lyxumiaの製品名のもと60か国以上で承認され、EUの大半、日本(製品名:リキスミア)、ブラジル、メキシコ、インドなど40か国以上で販売されている。サノフィ社は、同剤をデンマークのZealand Pharma A/S社から導入した。
FDA医薬品評価研究センター(CDER)のMary Thanh Hai Parks 医薬品評価第2部長は、「FDAは、糖尿病管理のための新薬開発の支援を続けている」と述べた上で、「Adlyxinは、2型糖尿病患者の血糖コントロールのために新たな治療選択肢を追加することになる」と同剤の登場を歓迎した。
米国では2型糖尿病には2900万人が罹患しているといわれ、糖尿病の90%以上を占める。