日米のがん種別診療患者数 両国とも1位は乳がん 上部消化器がんは日本に多く
公開日時 2013/07/17 05:04
日米のがん種別の診療患者数を調べたところ、上部消化器がんは日本に多いことが社会情報サービスの分析でわかった。日米ともに診療患者数の第1位が乳がん、第2位が大腸がんだったものの、日本の第3位に入った胃がんや同12位の食道がんは、米国でいずれも上位15種に入っていなかった。
この分析は、社会情報サービスとエムスリーが共同実施している388疾患の診療状況を把握する「PatientsMapデータベース」の2011年日本版と同米国版のデータを基にしたもの。調査医師数は日本が2万1558人、米国が6130人。診療患者数を調査し、拡大推計値を算出した。
全ての疾患で見てみると、日米ともに診療患者数の第1位は高血圧症で、日本が1400万人、米国が3600万人だった。第3位も日米ともに糖尿病で、日本が700万人、米国が3000万人だった。一方、第2位は日本が脂質異常症(800万人)だったが、米国は肥満症(3300万人)となった。
次に日本で第12位、米国で第10位だった「がん」について、がん種別に診療患者数を分析した。日本の上位5種は、▽乳がん(58万人)▽大腸がん(57万人)▽胃がん(36万人)▽前立腺がん(32万人)▽肺がん(22万人)――、米国は▽乳がん(204万人)▽大腸がん(149万人)▽前立腺がん(147万人)▽肺がん(128万人)▽基底細胞がん(108万人)――となった。社会情報サービスは、「患者数の規模は異なるものの、日米共通して患者数が上位の乳がん、大腸がん、前立腺がんは両国にとって共通の課題であることが示された結果といえる」としている。
また、がん治療診療科をがん種別に見たところ、日本では外科や各臓器の専門医が主に治療にあたるのに対して、米国では腫瘍内科(オンコロジスト)や放射線科が多くを占め、両国で違いが確認された。
この分析結果は5月19~22日にフロリダで開催された米国医薬品マーケティングリサーチ協会によるアニュアルカンファレンスのポスターセッションで発表されたもので、ポスター23本の出展中で2位入賞を果たした。