ディー・エヌ・エー子会社のアルムは2月27日、統合型遠隔医療支援ソリューション「Join Mobile Clinic」（JMC）の本格展開を始めると発表した。JMCは遠隔医療支援パッケージを活用し、医師間の相互連携ネットワークにより、遠隔診療による“動く診療所”の展開を実現する。国内のへき地や離島など医師が少ない地域での活用を目指すほか、国外での実証実験なども検討しているという。

JMCの遠隔医療支援パッケージには、各種軽量ポータブル医療機器と、これらの医療機器と連携した診療記録システム「JoinNotepad」、医療関係者間コミュニケーションアプリ「Join」を搭載したスマートフォンが入っている。専用スーツケースに入れて持ち運びができ、国内外の医療従事者や医療機器が不足する地域で、より質の高い医療の提供を可能にすると期待される。

今後の事業戦略として、国内では超高齢社会や地方の医師不足などの課題を背景に、地方の医療機関や自治体への展開を進める。また、国外ではパラオ保健福祉省との間に実証プロジェクトに向けた覚書を締結。ウクライナなどでも実証事業を検討しているという。実証事業が円滑に進めば、企業やNPO、国際機関などとも連携して事業を拡大していくという。

同社は「Joinと様々な医療機器連携による遠隔医療支援事業を拡大し、医療DXを推進することで、全ての人へ公平な医療提供の実現を目指していく」としている。