薬粧連合 持続的な賃上げ目指す 物価上昇や国際水準を考慮 25年度運動方針
公開日時 2024/09/18 04:51
医薬化粧品産業労働組合連合会(薬粧連合)は9月17日、記者会見で2025年度の運動方針を発表し、物価上昇や国際的な水準を考慮した持続的な賃上げを目指していく考えを示した。松野泰士会長(第一三共グループ労連)は「持続的な賃上げは社会的にも継続して求められるものだと考えている。最低限でも昨年度と同じ強度で臨む必要がある」と訴えた。このほか、産業政策の実現に向けた職種別・業種別の政策立案委員会の設置や、大阪万博への出展などアドボカシー活動の拡大・定着などを掲げた。
薬粧連合は18年10月に設立され、加盟団体は24年7月時点で26組織、約3万4000人に上る。9月15日に行われた第7回定期大会を経て、結成7年目をスタートさせ、25年度の運動方針について「労働条件の向上」「産業政策の実現」「組織活動の強化」「組織問題の解決」を引き続き掲げた。松野会長は「質量ともに拡大した活動の運営効率化と適切な見直しも検討を進めていく」と述べた。
◎松野会長「物価上昇を上回る賃上げ必要」 UAゼンセンとの関係にも言及
賃上げについて、24年度は物価上昇などを踏まえ「5%以上」の目安を設定したが、結果は4%台前半で「他業種に比べると厳しい結果」(松野会長)にとどまった。25年度も持続的な賃上げを目標として掲げており、松野会長は「賃金の競争力はこの30年で海外に比べて日本は見劣りしている。実質賃金がようやくプラスに転じようとしている今、物価上昇を上回る形で賃金を上げていく必要がある」と強調した。
会見では設立当初からの課題となっているUAゼンセンとの関係についても触れた。薬粧連合は加盟組織の多くがUAゼンセンに脱退届を提出して、設立した経緯があるが、いずれも受理されていない状態が続く。この点について松野会長はUAゼンセンとの話し合いや、連合を含めた三者間での話し合いが続いているとして「組合員にとって何がベストかを考え、少しでも前に進めていきたい。政策について意見交換もできており、前向きにとらえたい」と述べた。
25年度の役員体制も発表し、副会長に麻﨑一哉氏(KMバイオロジクス労組)と松尾仁雄氏(中外製薬労組)、事務局長に石井卓也氏(アステラス労組)を新たに選任した。