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杏林製薬・高岡新工場で出荷式 増産要請の去痰薬ムコダイン出荷 荻原社長「安定供給の一助に」

公開日時 2024/07/18 04:50
杏林製薬の子会社、キョーリン製薬グループ工場は7月17日、新たに建設した高岡工場(富山県高岡市)の出荷式を行った。医薬品の供給不安解消に向けた厚生労働省の増産要請を受け、高岡工場は当初予定していた2024年秋を前倒しして生産、供給を開始。この日は増産要請を受けた去痰薬・ムコダイン(一般名:カルボシステイン)約650万錠を出荷した。杏林製薬の荻原豊代表取締役社長は「初出荷を迎えることができ、これが全ての解決ではないが、安定供給に向けた一助になるものと喜ばしく思う。ムコダインだけではなく、その他のジェネック医薬品についても安定供給に向けて努力を続けていきたい」と述べた。

キョーリン製薬グループ工場では、能代工場(秋田県能代市)、井波工場(富山県南砺市)、滋賀工場(滋賀県甲賀市)に続く4か所目の生産製造拠点。建物は3階建て延べ床面積約2万1千平方メートルで、固形剤製造を担う。製造ラインは250~1600リットルのコンテナに対応し、工程管理には製造実行管理システム「MES」を導入。中間製品の容器移し替えや包装作業などの自動化を進めて省人化を図り、少量多品種の生産にも柔軟に対応できる体制を整えている。

鎮咳・去痰薬の供給不安問題を巡っては、武見敬三厚労相が23年11月に製薬各社に向けて直接増産を要請した。ムコダインは数量ベースでカルボシステイン市場の約2割のシェアがある。高岡工場は予定を前倒しし、24年6月に製造承認を取得、7月の商業生産開始にこぎつけて増産要請に対応。能代工場と合わせて年間数億錠のムコダインの生産体制を整えた。荻原社長は「高岡工場の稼働により、ある程度安定供給に向けてカバーできるのではないか」と説明した。

◎後発品の生産数拡大へ 井波工場からの移管と外部委託品の内製化進める

高岡工場ではムコダインの増産体制拡充のほか、井波工場からの生産機能の移管と外部委託品の内製化を進め、後発品の生産数量拡大を目指す。最大生産能力は20億錠で、今後設備や人員の拡充などを進め、「早ければ2030年までには達したい」(キョーリン製薬グループ工場・大野田道郎代表取締役社長)としている。

後発品の安定供給については、Meiji Seika ファルマがコンソーシアム構想を掲げるなど業界で議論が広がっている。荻原社長は「世の中で言われているコンソーシアムの考え方をまだどういうものか理解できていない。具体的な提案を受けている状況ではない」とした上で、「安定供給に向けた企業努力を日々続けていかなくてはならない中で、自分たちができることを今やっているのが現状だ」と述べた。
 
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