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23年世界売上1位はキイトルーダ、売上250億ドル ブロックバスター最多はロシュの15製品

公開日時 2024/07/09 04:52
ミクス編集部が2023年のグローバルでの製品売上高を集計したところ、メルクのがん免疫療法薬・キイトルーダがトップに立った。世界の製薬企業が発表した23年業績を調べ、ランキングにした。1位となったキイトルーダは、前年比19%増の250億ドル(1億ドル未満切捨て)を売り上げた。21年、22年と2年連続で1位だったファイザーの新型コロナワクチン・コミナティは、新型コロナの世界的な鎮静化により70%減の112億ドルとなり、7位に順位を下げた。企業別に年間売上10億ドル以上のブロックバスター製品を集計すると、トップはロシュの15製品、ジョンソン・エンド・ジョンソンが14製品、ノバルティスが13製品で次いだ。


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◎オゼンピックが3位にランクイン

売上トップ10製品をみると、ノボ ノルディスクの糖尿病治療薬・オゼンピックが60%増の138億ドルとなり、前年11位から今回3位に大きく順位を上げた。サノフィのアトピー性皮膚炎等治療薬・デュピクセントも29%増の115億ドルとなり、前年10位から今回6位となった。一方、アッヴィの自己免疫疾患治療薬・ヒュミラは米国でのBS参入の影響で32%減の144億ドルとなったが、前年に引き続き2位をキープした。ヒュミラは20年まで9年連続で売上1位。21年、22年は2位だった。

売上トップ10製品は、1位キイトルーダ(メルク、250億ドル)、2位ヒュミラ(アッヴィ、144億ドル)、3位オゼンピック(ノボ ノルディスク、138億ドル)、4位は抗凝固薬・エリキュース(ブリストル マイヤーズ、122億ドル)、5位は抗HIV薬・ビクタルビ(ギリアド・サイエンシズ、118億ドル)、6位デュピクセント(サノフィ、115億ドル)、7位コミナティ(ファイザー、112億ドル)、8位は自己免疫疾患治療薬・ステラーラ(ジョンソン・エンド・ジョンソン、108億ドル)、9位は多発性骨髄腫治療薬・ダラザレックス(ジョンソン・エンド・ジョンソン、97億ドル)、10位はがん免疫療法薬・オプジーボ(ブリストル マイヤーズ、90億ドル)――。

◎マンジャロ、ウゴービ、バビースモなどブロックバスター入り

23年に初めてブロックバスターの仲間入りをしたのは、イーライリリーの糖尿病治療薬・マンジャロ、ノボ ノルディスクの肥満症治療薬・ウゴービ、ロシュの加齢黄斑変性治療薬・バビースモ、グラクソ・スミスクラインのRSウイルスワクチン・アレックスビー、BeiGene の慢性リンパ性白血病治療薬・Brukinsa(一般名:ザヌブルチニブ)、ロシュの抗がん剤・フェスゴ、テバの遅発性ジスキネジア治療薬・Austedo(一般名:deutetrabenazine)など。

22年5月米国承認のマンジャロは10.69倍の51.63億ドルで26位、21年6月米国承認のウゴービは5.07倍の45.45億ドルで30位に顔を出した。

バビースモは3.99倍の26.16億ドルで63位。なお、競合品のアイリーアは、米国販売のリジェネロンの売上がHD(高濃度製剤)を含めて6%減の58.86億ドルと影響を受けている。バイエルのアイリーア売上は1%増の34.89億ドルだった。

23年5月米国承認のアレックスビーは15.35億ドルで、初登場114位。同じく23年5月米国承認のファイザーのアブリスボは8.90億ドルだった。これらにモデルナが24年5月に米国承認を取得した「mRESVIA」が加わり、RSVワクチンの競合が激化している。

Brukinsaは19年11月に米国でマントル細胞リンパ腫の適応で承認されたBTK阻害剤で、2.28倍の12.90億ドルを売り上げ、139位。23年12月に慢性リンパ性白血病、24年3月に濾胞性リンパ腫に適応拡大しており、今後も増加が続く見通し。競合品のイムブルビカやカルケンスなどがその影響を受けるとみられる。このほかBTK阻害剤では、ジャイパーカが競争に加わっている。

20年6月米国承認のフェスゴは51%増の12.43億ドルを売り上げ、143位。17年4月に米国でハンチントン病関連の適応で承認され、同年8月に遅発性ジスキネジアに適応拡大したAustedoは27%増の12.25億ドルで、145位となった。

◎ブロックバスター数 内資系最多は武田薬品、アステラス製薬、大塚製薬の3製品

ブロックバスター数の上位10社は、1位はロシュ(15製品)、2位はジョンソン・エンド・ジョンソン(14製品)、3位はノバルティス(13製品)、4位はアストラゼネカ(12製品)、5位タイにアッヴィとグラクソ・スミスクライン(各11製品)、7位タイにアムジェン、ファイザー、ブリストル マイヤーズ(各9製品)、10位タイにノボ ノルディスクとギリアド・サイエンシズ(各8製品)――となった。

内資系企業で最多は武田薬品、アステラス製薬、大塚製薬の各3製品だった。ただ、武田薬品は売上55億ドルの炎症性腸疾患治療薬・エンティビオ、アステラス製薬は51億ドルの前立腺がん治療薬・イクスタンジと大型品をもっている。このためブロックバスター3製品の合計売上には差があり、武田薬品は96億ドル(うちビバンセ29億ドル、タクザイロ12億ドル)、アステラス製は79億ドル(プログラフ14億ドル、ベタニス13億ドル)、大塚製薬は42億ドル(レキサルティ15億ドル、エビリファイメンテナ14億ドル、ジンアーク13億ドル)――となる。

このほか第一三共はブロックバスターとして、乳がんなどを対象疾患とする抗HER2ADC・エンハーツ(27億ドル)と抗凝固薬・リクシアナ(19億ドル)の2製品を持つ。このうちエンハーツは91%の大幅増を記録した。エーザイは抗がん剤・レンビマ(20億ドル)、小野薬品はオプジーボ(10億ドル)がブロックバスターとなっている。

ミクス編集部は毎年、世界の製薬企業が公表している製品売上をまとめている。23年売上は原則23年12月期売上で、武田薬品、アステラス製薬、第一三共、エーザイ、小野薬品は24年3月期売上。伸び率は各社公表通貨でのレポートベース(為替影響含む)。ドル換算の為替レートは1ユーロ=1.08ドル、1ポンド=1.24ドル、1CHF=1.11ドル、1DKK=0.145ドル、100円=0.7109ドル(12月期決算企業:大塚製薬)、100円=0.6914ドル(3月期決算企業:武田薬品、第一三共、アステラス製薬、エーザイ、小野薬品)――とした。
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