元武田薬品代表取締役社長CEOの武田國男氏が６月８日、神戸市内の病院で逝去した。84歳。老衰。同社が６月17日に発表した。

1962年入社以降、長く国際部門で経験を積んだ。米アボット・ラボラトリーズとの合弁会社であるTAPファーマシューティカル・プロダクツのエグゼクティブ・バイスプレジデントとして米国事業の成長に貢献し、グローバル事業展開における確固たる礎を築いた。1993年に社長CEOに就任。コア事業として医薬品事業に経営資源を集中するなど事業構造の改革を推進し、2001年度の連結決算では国内製薬企業初となる売上高1兆円を達成して現在のタケダにつながる成長軌道を実現した。

クリストフ・ウェバー代表取締役社長CEOは、「武田國男氏は、その優れた決断力と類まれなリーダーシップでタケダの国際化の推進と医薬品事業への集中に尽力された。ご逝去の報に接し、心からご冥福をお祈りするとともに、ご家族、ご友人、そして親交のあったすべての皆様に、心より哀悼の意を表します。國男氏の旅立ちをとても寂しく思う一方、國男氏が遺した偉大な功績は、これからも永く皆様の心に留まるものと確信しています」とコメントを寄せている。

なお、通夜、葬儀ともに、家族葬にてすでに執り行われた。故人の遺志により、弔問、供花、香典等のお心遣いは今後もすべて辞退されており、お別れの会等の実施予定もないとしている。