日本病院薬剤師会 会長に武田氏を再任 病院薬剤師の職能拡大、教育研修に力
公開日時 2024/06/17 04:48
日本病院薬剤師会は6月15日、東京都内で通常総会を開き、2月の臨時総会で会長候補に選出されていた武田泰生氏(鹿児島大病院)の2期目の再任を決めた。任期は2026年6月までの2年間。武田会長は、病院薬剤師の職能拡大や資質向上などに取り組む姿勢を強調。24年度診療報酬改定でがん薬物療法体制充実加算が新設されたことに触れ、がんだけでなく、「HIVや救急、精神科などの外来にも広げることで、さらなる職能拡大につなげていきたい」と意欲をみせた。
新設されたがん薬物療法体制充実加算は、医師が患者を診察する前に、薬剤師が服薬状況や副作用の発現状況について収集・評価を行い、医師に情報提供、処方提案を行った場合の点数として24年度改定で新設された。武田会長は、「医師の診察前に薬剤師が介入することで服薬状況や効果の確認、副作用の早期発見につながる。薬剤師の職能を広げるタスク・シフト/シェアであり、患者メリットにも必ずつながる」と述べた。現行では、点数を取得できるのはがんに限られるが、こうした取り組みを他の診療科にも広げる意義を強調した。
病院薬剤師が取り扱う医薬品のモダリティも多様化する中で、「知識をしっかり身に付け、ハンドリング技術を習得し、患者さんのメリットや医療安全につなげていくことが使命だ」として、研修に力を入れる方針も示した。
◎副会長に新任の神戸中央市民病院・室井氏 川上氏、奥田氏、筒井氏、眞野氏が再任
副会長には室井延之氏(神戸市立医療センター中央市民病院)が新たに就任したほか、川上純一氏(浜松医科大病院)、奥田真弘氏(大阪大病院)、筒井由佳氏(近森病院)、眞野成康氏(東北大病院)が再任された。