ロシュD 脳脊髄液中のβ-アミロイドとリン酸化タウ蛋白を測定する検査薬を承認申請
公開日時 2024/04/23 04:48
ロシュ・ダイアグノスティックスは4月19日、脳脊髄液(CSF)検体でβ-アミロイドとリン酸化タウ蛋白を測定する検査薬「Elecsys β-Amyloid (1-42) CSF II」と「「Elecsys Phospho Tau(181P)CSF」を承認申請したと発表した。両製品とも電気化学発光免疫測定法(ECLIA法)を測定原理とする、同社のコバスシリーズの全自動免疫分析装置を用いて測定を行う。
「Elecsys β-Amyloid (1-42) CSF II」は脳脊髄液のβ-アミロイド1-42(Aβ42)を、「Elecsys Phospho Tau(181P) CSF 」は脳脊髄液中の181位リン酸化タウ蛋白(pTau181)を測定する検査薬。
Aβ42は、アルツハイマー病の発症に関係があると考えられている、脳内で形成されるタンパク質。通常は短時間で分解・排除されるが、何らかの原因で適切に排除されなかった場合、脳内に蓄積(アミロイド斑)する。pTau181は、神経細胞内で見られるタンパク質。タウ蛋白が過剰にリン酸化され、神経細胞に蓄積することで神経原線維変化を引き起こす。その結果、神経細胞死による脳萎縮によって軽度認知障害や認知症が発症すると考えられている。
脳脊髄液中のAβ42とpTau181の比(pTau181/Aβ42比)は、アミロイドPET検査と同等に脳内β-アミロイドの蓄積状況を把握できるバイオマーカ―として有用と考えられている。