日本の独立系ベンチャーキャピタル（VC）のBeyond Next Venturesは３月４日、グローバルCROのFortrea Incと戦略的パートナーシップに関する覚書（MOU）を締結したと発表した。同社としては今回のパートナーシップを通じ、バイオ・創薬領域での出資先スタートアップの海外展開を一層強化したい考え。なお、Fortreaと日本のＶＣによるパートナーシップは初となる。

同社の伊藤毅代表取締役社長は、今回のパートナーシップについて、「海外展開がますます求められる現在の医薬品マーケットにおいて、Fortreaが有する世界水準の研究開発環境、各国の市場に関する知見、グローバルなネットワークは、日本のバイオ創薬スタートアップの世界展開を力強く後押しすると確信している」と強調する。続けて「出資先スタートアップとの良い連携事例を創出し、バイオ創薬領域のエコシステムに貢献したい」と意欲を示した。

世界中に拠点をもつFortreaは、90か国以上で臨床研究を手掛けた実績があり、それぞれの地域固有の薬事規制や承認プロセス、および各国の法規に精通している。また、こうした強みを活かす世界水準のグローバルな治験支援体制を有している。このためBeyond Next Ventures側も、医薬品開発プロセスを効率化・最適化することで、バイオ医薬品の市場投入までの時間を短縮できるなど、出資先のスタートアップに対し、グローバル水準で革新的な医薬品の開発を加速できると期待している。

Fortrea の最高開発責任者であるAndrew Hegedus氏は、「20以上の疾患領域で30年以上にわたり世界中で医薬品を開発してきた。Beyond Next Venturesとのパートナーシップを通じ、戦略的ソリューションと重要な知見でスタートアップを支援できることを楽しみにしている」とコメントした。