UCB 全身型重症筋無力症治療薬・ジルビスクを発売 患者宅への無料配送サービスも開始
公開日時 2024/02/19 04:52
ユーシービージャパンは2月16日、全身型重症筋無力症(gMG)治療薬として初の自己注射が可能な皮下注製剤・ジルビスク皮下注シリンジ(一般名:ジルコプランナトリウム)を発売した。在宅による自己投与が可能なため患者の通院負担を軽減する利点がある一方、易疲労性(疲れやすいこと)が特徴のgMG患者にとって複数回分まとめての持ち帰りや運搬時の温度管理は大きな負担となる。そこで同社はジルビスクの患者宅への無料配送サービスも開始した。
ジルビスクの効能・効果は「全身型重症筋無力症(ステロイド剤又はステロイド剤以外の免疫抑制剤が十分に奏効しない場合に限る)」で、体重に応じた用量を1日1回皮下投与で用いる。ジルビスクは補体C5に結合しC5a及びC5bへの開裂、並びにC5b及びC6の結合を阻害する2つの作用によって神経筋結合部への補体が関与する損傷を阻害する。同社は「次世代補体C5阻害薬」としている。
◎無料配送サービス 「グレーゾーン解消制度」を活用し、景品類に該当しないことを確認
ジルビスクの発売と同時に開始した患者宅無料配送サービスは、産業競争力強化法に基づく「グレーゾーン解消制度」により、景品表示法が定める景品類に該当しないことが消費者庁及び厚労省により確認されたもの。患者はUCBと同サービスの利用契約書を締結の上、患者が薬局を指定し、処方箋を受領した薬局が医薬品卸に薬剤を発注し、指定配送業者が患者宅に配送する。
この無料配送サービスは2023年12月に開始した患者サポートプログラム「ONWARD」の一環で、ジルビスクを使用する患者も登録により、24時間対応の相談サービスなどONWARDの他のサービスも受けることができる。配送オーダーもONWARDのアプリ(LINEアプリ)から行うことができる。
同社は、「より良い疾患治療のためには、薬剤の有効性や安全性と同等に、患者サポートが重要と考える」とし、「重篤な疾患を抱える人々が前向きに治療に取り組める環境を整え、治療効果とQOLの向上につながるようこれからも取り組む」としている。
【おことわり】ユーシービージャパンから下線部についての訂正依頼がありました。訂正します。(3月18日15時20分)