厚労省・後発品承認 初後発は4成分、全てにAG ブリディオン後発品に7社16品目
公開日時 2024/02/16 04:51
厚生労働省は2月15日、後発医薬品として16成分74品目を承認した。後発品として初めて承認されたもの(以下、初後発品)は4成分。具体的には筋弛緩回復剤・ブリディオン静注(一般名:スガマデクスナトリウム、MSD)、爪白癬治療薬・クレナフィン爪外用液(同エフィナコナゾール、科研製薬)、緑内障・高眼圧症治療薬・グラナテック点眼液(同リパスジル塩酸塩水和物、興和)、月経困難症等治療薬・ジェミーナ配合錠(同レボノルゲストレル・エチニルエストラジオール、ノーベルファーマ/あすか製薬)――の後発品となる。また、本誌取材によると、4成分全てにオーソライズド・ジェネリック(AG)があった。
文末の「関連ファイル」に、初後発品4成分の一覧表を掲載しました(会員のみダウンロードできます。無料トライアルはこちら)。
◎丸石製薬 ブリディオンAGの承認取得
ミクスの集計では、初後発品のうちブリディオン後発品で最多の7社16品目が承認された。後発品の承認取得企業はヴィアトリス・ヘルスケア、沢井製薬、サンド、ニプロ、バクスター・ジャパン、富士製薬、丸石製薬(五十音順)。丸石製薬の後発品がAGとなる。
丸石製薬はこの日、AGとして承認を取得したことに加え、「医療現場での利便性向上および医療安全対策を考えたプレフィルドシリンジ製剤(200mg)は、先発品と同じ原薬を使用して製造する」と発表した。同社は同AGに関し「薬価基準収載並びに発売に向けて準備していく」としているが、「具体的な時期は非開示」(同社広報部)。
◎クレナフィン、グラナテック、ジェミーナの後発品は全て1社参入 全てAG
初後発品のうちブリディオン後発品以外の3成分は全て1社参入となる。
クレナフィン後発品は科研ファルマが承認を取得した。科研ファルマはクレナフィン(先発品)を製造販売する科研製薬の100%子会社。科研製薬は本誌取材に、科研ファルマのクレナフィン後発品はAGだと認めるとともに、同AGの剤形は先発品と同様のハケと一体型のボトル容器と説明した。
グラナテック後発品は、グラナテック(先発品)を製造販売する興和の100%子会社の興和AGファーマが承認を取得した。興和は本誌に、この後発品はAGだと説明した。
ジェミーナ後発品は、あすか製薬が承認を取得した。あすか製薬は、ジェミーナ(先発品)について、製造販売元のノーベルファーマとコ・プロモーションしている。あすか製薬は本誌に、ジェミーナ後発品はノーベルファーマから許諾を得たAGであることや、AGの適応症は▽月経困難症、▽生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整――で、先発品と同様と説明した。後発品の製品名は「レボエチ配合錠」。
なお、クレナフィンAG、ジェミーナAGとも6月の薬価追補収載の手続きを行うかは「未定」。グラナテックAGは「戦略上、答えられない」としている。
◎トレリーフOD錠の後発品 14社28品目が承認取得 AGは2月20日先行発売へ
このほか、抗パーキンソン病薬・トレリーフOD錠(同ゾニサミド、住友ファーマ)の後発品として14社28品目が承認を取得した。住友ファーマ100%子会社の住友ファーマプロモが23年8月に同剤のAGの承認を取得し、2月20日に発売予定。6月には通常の後発品も登場する見込みで、市場競争の激化も予想される。
今回、トレリーフ後発品の承認を取得した企業は共和薬品、キョーリンリメディオ、寿製薬、沢井製薬、サンド、全星薬品、第一三共エスファ、ダイト、東和薬品、日医工、日新製薬、ニプロ、日本ケミファ、フェルゼンファーマ――。