武見厚労相 後発品コンソーシアム構想実現の障壁に独禁法「調整急ぎ、適正な再編を」
公開日時 2024/02/09 04:50
武見敬三厚労相は2月8日の衆院予算委員会で、後発品の供給不安が続く中で、少量多品目構造解消に向けて、「企業間での品目統合や生産調整、コンソーシアム的な共同経営、M&Aの推進にあたり、実は独禁法との調整が非常に難しい課題として今ある」との認識を表明した。そのうえで、「安定供給の重要性に鑑みて、独禁法の適用を調整するための省庁間調整を今行っている。なるべく早く行い、適正な業界の再編につなげていきたい」と述べた。橋本岳氏(自民)への答弁。
後発品の産業構造について、「少量多品目生産という非効率な製造がおこなわれている中小企業が大変多い業界で、これをどう業界再編していくかという大きな課題が中長期的にはある」との認識を表明。コンソーシアムやM&Aなどの推進で、再編につなげる考えを示した。
昨年秋から鎮咳・去痰薬の供給不足が続く中で、企業に増産要請を行い、年末までに9月時点と比べて1割以上の供給増を実現した。さらに、2023年度の補正予算で、「医薬品安定供給支援補助金(医薬品安定供給体制緊急整備事業)」を設けていることに触れた。「この補助事業は、新たに生産ラインを設けていただくときに必要となる人件費などについても対応できるような仕組みにしており、多くの企業の方々からすでに申請をいただいている。役所の中で審議、採択をして執行するという段階に来ているので、これをとにかく省内で、超特急で今やらせているところだ」とも説明した。
このほか、「後発品医薬品の安全性確保も大変重要なテーマ。薬価制度の中で安全性、質の担保を考えて対応していきたい」とも述べた。