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後発品企業指標の「安定供給情報公表」 6月にもスタートへ 厚労省・後発品検討会

公開日時 2024/02/01 04:46
厚労省は、24年度薬価改定で試行導入される後発品の企業指標に盛り込まれた「後発品の安定供給に関連する情報の公表」を6月にも開始する方針を示した。各企業のウエブサイトで公表することを視野に入れる。厚労省研究班(研究代表者:成川衛氏・北里大学薬学部)が3月を目途にガイドラインとして取りまとめ、厚労省が通知や事務連絡を発出し、周知を図る方針。1月31日の「後発医薬品の安定供給等の実現に向けた産業構造のあり方に関する検討会」に、厚労省研究班の中間報告として報告した。

24年度薬価改定では、「後発品の安定供給が確保できる企業の考え方」として企業指標が試行導入される。ただ、「後発品の安定供給に関連する情報の公表」については企業による準備期間が必要であることから今回の改定では適用されず、「公開すべき情報提供の内容や判断基準等の考え方を23年度中に示した上で、企業による準備期間を設け、24年度前半のできる限り早いうちに企業による公表を開始する」こととされていた。

この日、厚労省が示したイメージによると、①「製造販売する品目の製造業者名の公表(任意:製造販売する品目の自社製造割合)」、「製造販売する品目の原薬の製造国の公表、製造販売する品目の原薬の複数の製造所を確保」、「他の製造販売業者と共同開発して承認された品目における共同開発先の製造販売業者名の公表(任意:製造販売する品目の共同開発割合)」(都度公表)、②「厚労省ウエブサイトの「安定供給体制等を指標とした情報提供項目に関する情報提供ページ」における安定供給体制等に関する情報を掲載」、「日本製薬団体連合会が作成した、ジェネリック医薬品供給ガイドラインに準拠した内容である安定供給に係る文書の作成と運用」(過去3年間分を都度公表)、③「製造販売する安定確保医薬品について、品目ごとの一定以上の余剰製造能力又は在庫量の確保」(過去2年分を4半期毎(4半期の初月)公表)、④「製造販売する品目ごとの月単位の出荷実績(当該品目の製造計画と実際の出荷量を比較した情報を含む)の公表」(過去2年分、年2回(4月、10月))-。

◎“規格揃え”でGE薬協「非汎用規格の集約を」 構成員から「患者が困らないように」との声も

この日の検討会では、「少量多品目構造の解消」に向けて、いわゆる“規格揃え”も議論の俎上にあがった。また、普通錠とOD錠があることが品目数の増加につながっているとの指摘もある中で、実態を踏まえた議論もなされた。

厚労省が示した調査結果によると、医療機関や薬局が後発品を選ぶ際に最も重視している事(単数回答)として、「規格揃え品であること」「OD錠であること」と回答した医療機関等はいずれもは2%未満と低率にとどまっている。一方で、製薬企業からは、生産効率の低下や管理費用の増加といった負担があるとの声があるとした。

同日、ヒアリングに臨んだ日本ジェネリック製薬協会は、非汎用規格について、「一定期間販売後においては全社が揃えるのではなく販売数量の多い企業に集約してはどうか」と提案。シェアの少ない品目を整理する一方、 販売継続を担う企業が不利にならない制度を検討することを求めた。また、将来的には、先発品のシェアを踏まえて非汎用規格の後発品収載は不要とすることなどを提案した。また、「投与回数を減らすためなど、単なる利便性向上を目的とした規格 は規格揃え対象外にできないか」とも提案した。

普通錠とOD錠の集約をめぐっては各社の判断に任せることを提案。「一方の剤型に集約すると判断し、集約した剤型で供給が担保出来る場合は、 速やかに 市場から撤退出来ればよいのではないか」とした。

構成員からは、「生産効率の問題も指摘される中で、なぜ非汎用規格が必要なのかもよく考えるべきだ」、「規格揃え原則が導入された当時の背景があったはずであり、利益が上がる汎用規格だけ作ることで患者が困ることがないように。それを見失ってはならない」などの意見があったという。

◎公正取引委員会 供給不安時の「増産に必要な数量情報」共有は「独禁法上問題となる恐れなし」

後発品など医薬品の供給不足が発生した際の各社の調整が独占禁止法に当たるとの声がある中で、同日は公正取引委員会からヒアリングも行った。公正取引委員会は、企業や団体が緊急に増産などに必要な数量情報に「限って」情報を共有し、増産対応などを依頼する場合は、「独占禁止法上問題となる恐れはない」との見解を示した。ただ、この範囲を超えて「当該企業の価格、生産数量又は取引先についての情報を共有し、また共同して 価格、生産数量又は取引先を決定又は指示するなどした場合には、独占禁止法上問題となるおそれがある」とした。独禁法上問題になるかは「事案に即して個別具体的に判断される」とした。厚労省は、業界からのヒアリングを踏まえて具体例について独禁法に抵触するかを示していく方針。
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