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サワイグループHD 米国子会社を台湾のBora社に売却 米国事業から撤退 国内の品質問題に資源を集中

公開日時 2024/01/17 11:10
サワイグループホールディングスは1月17日、米国事業子会社を売却すると発表した。前日16日開催の取締役会で、米国子会社のSawai America LLCおよびUpsher-Smith Laboratories, LLC(USL)の全株式等を台湾のBora Pharmaceutical Holdings, Inc.に譲渡することを決議した。米国事業は価格競争の激化などで22年3月期決算において減損損失688億円を計上した。加えて国内の品質問題の課題解決と需要拡大への対応に経営資源の優先投資が避けられない状況にあるとし、米国事業からの撤退を決断した。株式譲渡実行日は24年3月末を予定する。

◎17年に米国事業本格参入も 卸・薬局のバイイングパワーや価格競争で業績悪化

同社グループは、2017年にUSLを買収し、米国事業に本格参入した。当初は工場の統廃合と生産能力の増強、パイプライン拡充などを通じて事業成長を期待したが、卸・薬局等の3大購買グループへの統合や、競合企業の相次ぐ参入などによる価格競争の激化などを受けてUSLの業績が大幅に悪化した。

◎品質問題の課題解決と需要拡大へ 日本事業への経営資源の優先投資が避けられない

同社によると、22年3月期はのれん等の多額の減損損失を計上。間接部門の人員やコスト削減、研究開発体制や開発戦略の見直しなどに取り組んだが、卸・薬局等の3大購買グループのバイイングパワーやインドを中心とした競合企業の市場参入に伴う価格競争の激化で事業環境の改善が難しい状況にあったという。一方で、「日本のおける品質問題の課題解決と需要拡大へ対応するために日本事業への経営資源の優先投資が避けられない状況にある」と判断し、米国でのジェネリック事業への積極投資に意欲のあるBora社への売却を決めた。

今回の売却に際して同社は、米国事業の持株会社であるSawai America Holdings Inc.の全株式、並びにSawai AmericaLLCの持分とUSL社の持分を、共同出資者のSumitomo Corporation of Americasとともに、Bora社に譲渡する。同社は持分の売買代金1億6000万米ドル(227億円)およびEarn-out条件達成時に800万米ドル(11億円)を受領。別途USL社より4000万米ドル(57億円)価値相当を配当または自己株式の取得により受領する予定。
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