中外製薬 抗がん剤・アレセンサ ALK陽性NSCLCの術後補助療法を申請
公開日時 2023/12/18 04:50
中外製薬は12月15日、抗がん剤・アレセンサカプセルについて、ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺がん(NSCLC)の術後補助療法の適応拡大を申請したと発表した。中外製薬はこの適応症に対し、厚労省に希少疾病用医薬品指定の申請を提出しており、指定された場合、優先審査の対象になる。
今回の承認申請は、ALK陽性NSCLCを完全切除した患者の術後補助療法を対象としたグローバル第3相臨床試験(ALINA試験)の成績に基づく。同試験では、病理病期IB~IIIA期のALK陽性NSCLCを完全切除した患者において、アレセンサはプラチナ製剤ベースの化学療法と比較して、再発または死亡のリスクを76%低下させることを示した(ハザード比=0.24、95%信頼区間:0.13-0.43、p<0.0001)。アレセンサの安全性および忍容性は、ALK陽性の転移性NSCLCを対象とした過去の試験と同様で、「予期せぬ所見は認められなかった」としている。
中外製薬の奥田修社長CEOは、「自社創製品のアレセンサが、ALK陽性NSCLCの術後補助療法を対象に日本での承認申請に至ったことを嬉しく思う」とした上で、「アレセンサはALK阻害剤として初めて術後補助療法における有効性を示した医薬品であり、早期肺がんにおけるペイシェントジャーニーを大きく変える可能性がある」とコメントしている。