塩野義製薬 米Apnimed社と合弁会社設立 閉塞性睡眠時無呼吸症など睡眠障害の課題解決へ
公開日時 2023/11/02 04:47
塩野義製薬は11月1日、米国の製薬企業Apnimed社と、睡眠障害における課題解決を目的とした合弁会社「Shionogi-Apnimed Sleep Science, LLC」を米国マサチューセッツ州に設立することで合意したと発表した。合弁会社への出資比率は50%ずつとなる。
深刻な睡眠障害のひとつの閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA) は高血圧、糖尿病、心血管疾患、脳卒中などその他の慢性疾患につながることや労働生産性を損なうことが知られている。また、OSAを未治療のままにしておくと寿命が著しく低下することも示唆されている。診断された患者の大部分はCPAPなどの陽圧療法装置を用いた治療が中心となっているが、アンメットニーズは依然として高く、有効で安全かつ利便性の高い治療薬が望まれている。
合弁会社の事業内容は医薬品の研究・開発で、11月1日設立予定。塩野義製薬が有する低分子創薬力と、Apnimed社が有する経験豊富な臨床段階の創薬チーム、睡眠障害の医療に関する臨床施設との強固なネットワークを含むOSA領域における高度な知見や優れたトランスレーショナルリサーチを合わせる。これにより両社の協力なしでは実現できないOSAの有望なソリューションの創造を目指す。
Apnimed社は、マサチューセッツ州ケンブリッジに拠点を置く臨床段階の製薬会社で、OSAや関連疾患の新たな薬物治療のポートフォリオを開発している。主力の開発プログラムは、OSA治療のため1日1回の経口薬投与により睡眠中の上気道の開存を維持するというもので、「従来の治療法に劇的変化をもたらすことが期待されている」としている。