順天堂大と日本IBM メタバース上で入院患者と家族が面会できるアプリ「Medical Meetup」を共同開発
公開日時 2023/08/04 04:52
順天堂大学と日本アイ・ビー・エムは、メタバース上で入院患者と家族が面会できる面会アプリ「Medical Meetup」を共同開発し、8月から小児患者を対象とした臨床研究を開始する。患者と家族の疑似体験を通じた使用感などを評価する。このほか日本IBMと共同で他医療機関への展開や、講演会や遠隔診療などのユースケース拡張についても検討していく方針だ。なお、面会アプリ「Medical Meetup」は8月2日からアプリストアでの一般配信を開始した。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、入院患者と家族等との面会は、電話やオンライン面会などのコミュニケーションツールが活用されることが増えていた。順天堂大学と日本IBMはこうした状況に対し、2022年にメディカル・メタバース共同研究講座を発足。実際に対面で面会ができなくても「ぬくもりのある面会」が実現できるメタバース面会アプリの共同開発に取り組んできた。
◎乗り物での移動やハイタッチなどを擬似体験
今回開発した面会アプリ「Medical Meetup」は、患者と面会者のアバターがリゾート施設等の非日常空間で会話したり、乗り物での移動やハイタッチ等で擬似体験できるなど、通常の面会の枠を超えた体験を楽しむことができる。
◎順天堂医院小児医療センターでアプリを用いた臨床研究を実施
順天堂医院小児医療センターは、8月から入院している小児患者と家族を対象とした臨床研究を実施する。臨床研究では、家族がメタバース面会アプリを通じ、触れ合う機会を増やすことで、「元気で心穏やかに過ごす」ことを目的とする。賛同を得た一定期間以上入院している小児患者とその家族に面会アプリの使用感を評価してもらう。医療従事者も面会アプリの評価を行い、ニーズに添えるように改善も検討する。