サンバイオ 承認審査で指摘されたSB623 の「収量」問題 8月の収量結果をもって課題解決を判断できる
公開日時 2023/06/15 04:50
サンバイオは6月14日、外傷性脳損傷に対する治療薬として承認審査中の「SB623」について、審査上で指摘された生産関連の「収量」に関する課題について、「8月の製造の収量結果をもって課題解決の判断ができる見込み」と発表した。その上で、「今期中の承認取得を目指す」と改めて強調した。
SB623は、健康成人骨髄液由来の間葉系間質細胞を加工・培養して作製されたヒト(同種)骨髄由来加工間葉系幹細胞(国際一般名:バンデフィテムセル)。脳内の損傷した神経組織にSB623を移植すると、損傷した神経細胞が本来持つ再生能力を促し失われた機能を回復させる効果が期待されている。同剤は先駆け審査指定制度の枠組みの中で外傷性脳損傷に対する治療薬としての承認審査を受けているが、審査段階において「申請時点と比較して収量が減少する」ことが指摘され、対応が求められていた。サンバイオも今年3月の23年1月期決算説明会で、6月中に課題解決の成否の判断の見通しを公表することを約束していた。
この日の発表によると、「収量に関する課題について、現時点ではまだ申請時点と同等の収量に戻り切っていない」としながらも、「直近の製造を通して得られた追加データに基づく原因分析の結果、課題解決に直結すると考えられる施策を策定することができた」と強調した。その上で、「この施策を講じた上で製造を行っており、8月にこの製造の収量結果をもって課題解決の判断ができる見込み」と明らかにした。同社として、「承認時期を決められるものではない」としながらも、「収量に関する課題への対応と並行して、生産関連の審査に適時適切に対応していくことで、引き続き、今期中の承認取得を目指す」とコメントした。