今期の経口インフルエンザ治療薬の処方患者 20代以下が全体の7割以上 総患者数は少なく
公開日時 2023/02/21 04:51
今シーズンに経口インフルエンザ治療薬を処方・調剤された患者を年代別にみたところ、20代以下が全体の7割以上を占めていることがわかった。医療情報分析サービスを手掛けるインテージリアルワールドが2月20日、自社データを基にした分析結果を発表した。コロナ前は20代以下が全体の5割前後だった。同社は、「感染対策が難しい小児や、活動が活発な10代、20代で感染が拡大している」と分析している。
同社は、独自に運用する統合医療データベース「Cross Fact」のデータを基に分析した。調査対象の経口インフルエンザ治療薬はオセルタミビル、ザナミビル、ラニナミビル、バロキサビル――となる。
今回明らかにした年代別のインフルエンザ患者数の分析は、各シーズン9月から翌年1月までの患者数をみたもの。その結果、今シーズン(22‐23年シーズン)は10歳未満が27.4%、10代が26.8%、20代が18.2%――となり、20代以下が72.4%を占めた。コロナ前は60歳以上が全体の10~20%を占めていたが、今シーズンは5%未満だった。
◎23年1月推計患者数は約69万人、前月比7倍増 コロナ前との比較では約5分の1
23年1月に経口インフルエンザ治療薬を処方・調剤された推計患者数は約69万人で、22年12月の約7倍に増加した。ただ、コロナ前2シーズンの1月(19年1月、20年1月)の平均患者数約339万人と比較すると、約5分の1と少ない状況は続いている。なお、コロナ後2シーズンの1月(21年1月、22年1月)の平均患者数約3000人と比べると約230倍で、同社は「(1月は)前月比で大きく増加しており、本格的な流行期に入ったと言って間違いないようだ」としている。